俳句例:101句目~
震災忌の映画ひらひら人走る/鳥居おさむ
震災忌遺影ふらりと歩きだす/江川千代八
東京にくらしたてをり震災忌/鈴木真砂女
死と隣る過去いくたびぞ震災忌/小幡九竜
胡麻入りの乾パン売るや震災日/木暮剛平
震災忌云い聞かす婆無うなりて/高澤良一
マネキンを担架で運ぶ震災忌/栗田やすし
槐残花はた散り震災堂の人ら/諸角せつ子
連絡カード身より離さず震災忌/山口恵子
震災忌ゆさゆさ百日紅の飛び火/伊丹三樹彦
ものゝ影ゆらぎやまざる震災忌/甲斐つる子
路地に青き空みあげたり震災忌/鈴木真砂女
震災忌向あうて蕎麦啜りけり/久保田万太郎
波の音をりをりひびき震災忌/久保田万太郎
大震災ハンドルしかとカーラジオ/野村敏一
食みこぼす駄菓子の膝や震災忌/石田あき子
摺り足に来たる日暮れや震災忌/山崎冨美子
震災の海にいかなごとれそむる/浅井青陽子
震災の被害を知らす文字かじかむ/八牧美喜子
かまくらの月のひかりや震災忌/久保田万太郎