豚に関連した俳句の例をまとめました。
豚を含む俳句例
豚饅に汗し行列中華街/高澤良一
晩餐に豚の耳削ぐ五月祭/石嶌岳
物置より出て呆然と蚊遣豚/有働亨
豚汁の豚を浚へる煮立汁/高澤良一
人日や鶏豚狗てい野にあそび/林翔
豚の仔の遊んでゐるや芭蕉林/篠原
葱大根豚の油も白かりき/会津八一
秋風に豚飼つて杭打ち込めり/原裕
秋冷のおろかに太る豚の首/石原舟月
大盛に奄美の首夏の豚料理/邊見京子
炎天を遠く遠く来て豚の前/西東三鬼
焦土も春豚の鼻面もゝ色に/川口重美
馬の耳豚の尾寒鴉に与える/松本勇二
まろび走す仔豚よ村の受難週/有働亨
豚駈けて牧の陽炎汚れける/桂樟蹊子
敗戦日人を上目に豚が見る/川口重美
豚舎より小豚飛び出す日雷/根岸善雄
夏虫や縁に並べる豚児達/島村元句集
豚小屋も夜は寝沈む天の川/遠藤梧逸
豚小屋に潮のとびくる野分かな/篠原
俳句例:21句目~
初市の豚の鼻みな息をせり/神生彩史
医師迎ふ仔豚の顔や流感期/堀口星眠
白豚や秋日に透いて耳血色/杉田久女
古手紙豚跳ね海は立ち上がる/徳弘純
台風の駅を出てゆく豚の貨車/林民子
蚊遣豚蚊遣豚にぞ乗り売らる/辻桃子
積極の豚消極のほしかかな/会津八一
種豚が猫鳴きするや秋の風/内田百間
あどけさに心なごめる蚊遣豚/高澤良一
産れ次ぐ仔豚丈夫に南瓜蒔く/今本南雀
かりがねや山に追はれし豚団地/真山尹
甲板の豚は望郷の涙でぬれる/藤後左右
眼をつむり軍船の豚にならう/藤後左右
まろび伏す仔豚よ村の受難週/有働/享
ゆく年や南京街に豚吊られ/成瀬桜桃子
睦言を聞いてをるなり蚊遣豚/小林貴子
オンドルや豚の腸煮立ちをり/深谷雄大
コスモスや豚小屋へ又子供達/西山泊雲
一燈に豚と寝につく雨季の宿/佐藤念腹
種豚のうすべにあはれ宍粟郡/塚本邦雄
俳句例:41句目~
二月尽百姓の豚飽かず肥え/百合山羽公
人形劇豚が主役よ子供の日/八牧美喜子
誘惑の豚河に手を振り老納所/河野静雲
豚の仔がころ~生れ花南瓜/中村としお
吊されて削がるゝ豚や冬微塵/石塚友二
豚の仔の重なり眠る良夜かな/後藤浩子
豚よりも愚で運がよし花南瓜/福田蓼汀
豚声の水に揃ふと地虫出づ/大木あまり
豚小屋の軒につえたる熟柿哉/寺田寅彦
豚炎天に哭き八方の釘ゆるむ/細谷源二
豚舎より仔豚跳び出す冬の雷/吉田霞峰
天つつぬけに木犀と豚にほふ/飯田龍太
宙吊りの豚はももいろ十三夜/仙田洋子
朝露よばら色の豚小走りに/上田五千石
花菜雨豚鳴きながら売られゆく/加古宗也
豚饅頭を山積み春節セールなり/高澤良一
日氷ひねもす狂人を友豚を友/八木三日女
アカシヤの花ちる下に豚生まる/岩崎照子
乳ふくむ仔豚が冬日の芯となる/岩田昌寿
春日落つひもじき豚等鳴きしきる/草田男
俳句例:61句目~
台風を迎え討つ気の豚舎なり/加藤あきと
軍船よ浮ぶ豚舎よ着けばわかる/藤後左右
売る豚の走り出でたる花南瓜/青柳志解樹
夏バテの我が身思へば酢豚など/高澤良一
乳房よりこぼるる仔豚桃の花/松本ゆき江
汗垂れて彼の飲む焼酎豚の肝臓/石田波郷
大花白豚歩いてゆくぜ白鳥だぜ/金子兜太
豚の子が育つ弥生の谷浅し/阿部みどり女
晴れときどき豚の昇天倭国の都/夏石番矢
村ぢゆうの障子が白し豚を飼ふ/木村蕪城
豚小屋の屋根に垂れたる熟柿哉/寺田寅彦
朝靄豚が出てくる人が出てくる/尾崎放哉
月まどか羽搏てるがごと豚の耳/川口重美
石蕗咲いて松山へ豚売りに行く/坪内稔典
豚の耳うすくれなゐや竹の春/多賀よし子
灼くる砂上豚鳴く方へ少女ゆく/須並一衛
豚どもは言葉あるごと冬日押す/桜井博道
豚の尾を打ち振ることも暖かし/松藤夏山
秋天をちさく占めしよ豚の捲尾/香西照雄
山畑に豚猪の如くあさりけり/楠目橙黄子
俳句例:81句目~
貨車の豚ひしめき過ぐる吹雪かな/高須茂
軍船よ浮ぶ豚舎よ負けはすまい/藤後左右
野の家の冬ざるるものに軍鶏と豚/瀧春一
雪かなし豚緬羊ををりに入れて/細谷源二
寒き詩豚らかなしき声すなる/八木三日女
鯊の潮一連よぎる小河豚かな/五十嵐播水
麦秋の仔豚くりくり洗はるる/鈴木しげを
豚小舎に豚の仔ねむる初日かな/成瀬桜桃子
竹がわつさり垂れて残暑の眠り豚/太田鴻村
肉になってからの豚の重さである/河本緑石
愚豚児の一つ妙ある接木かな/菅原師竹句集
大海豚踏へて立てる漁夫のあり/本田あふひ
貨車の豚おんおんと寒きまつ只中/細谷源二
肉になつてからの豚の重さである/河本緑石
踏切りが振るつよき白旗真冬の豚/寺田京子
軍船よ浮ぶ豚舎よどうにかならう/藤後左右
軍船よ浮ぶ豚舎よ死にたくは無い/藤後左右
蓼あかし売るとき一寸豚拭かれ/能村登四郎
豚の仔のももいろ冬のにはたづみ/長谷川双
豚の仔のもゝいろ冬のにはたづみ/長谷川双