俳句例:101句目~
秋の雲しろじろとして夜に入りし/飯田蛇笏
しろじろと地梨を咲かせ御師の家/西本一都
しろじろと夜がうねりだす花万朶/那須淳男
鮭のぼる川しろじろと明けにけり/皆川盤水
河口に浪しろじろと寄り吾子も夏へ/金子兜太
白々と華やぐ鼓楼団扇撒/磯野充伯「五七五」
ビキニ忌のしろじろとして海の照り/衣川次郎
卓布白々と夜寒のカフェー静かかな/島田青峰
はまゆふに雨しろじろとかつ太く/長谷川素逝
干されたる萱しろじろと暮れにけり/阪本早苗
しろじろと豆腐が沈みゐたる午後/小沢青柚子
しろじろと草木吹かるる厄日過ぎ/片山由美子
隣子貼つて灯のしろじろと豫後を住む/石原舟月
しろじろと春日に甍反りゆけば危うく自恃を喪わんとす/大野とくよ
しろじろと花を盛りあげて庭ざくらおのが光りに暗く曇りをり/太田水穂