俳句例:101句目~
秋の海に事もなげなる白帆かな/島田青峰
白地着て白帆のやうな父の来る/萩/夏枝
白帆には別な風吹き処暑の海/勝又木風雨
幻に白帆の満てるさくらかな/加倉井秋を
黒かねの橋の目にたつ白帆かな/正岡子規
すゝしさや島あり松あり白帆有り/正岡子規
たんぽぽの綿飛び沖に白帆見ゆ/吉田ひろし
風上ミに航くことをせり冬白帆/中戸川朝人
メロンに刃入るるや沖に白帆置き/畠山讓二
春風に身ぬち溶けさう遠白帆/鍵和田ゆう子
卯波濃したまたま白帆知己に似て/石原舟月
沖の白帆とはしやれた名の花菖蒲/高浜年尾
浅蜊ほる母とほし白帆母の背に/秋元不死男
不仲の二人白帆みゆればねむり草/八木三日女
冬の白帆とおき洩れ日のなかに入る/古沢太穂
風のたんぽぽ白帆をつねに沖へ置き/河野南畦
雲の峰白帆南にむらがれり/正岡子規「子規句集」