異国に関連した俳句の例をまとめました。
異国を含む俳句例
元日の出帆旗ある異国船/播水
異国めく湾岸道路冬霞/塙きく
首ふとき異国の男青胡桃/大西恵
炎天や道路工事の異国人/井上幹
異国の僧もおはして蓮見哉/嵐甲
異国にて相寄る心冬の雨/村木記代
惜春や斯く老いて吾異国に/間崎黎
冬の空青く展けて異国船/柳瀬重子
冬帽子目深に異国労働者/西尾照子
行年や異國通ひの蒸氣船/正岡子規
初買の異国書インキ匂ひけり/洋一
異国めく沖縄舞踊春の宵/上野玲子
春汀異国の文字の哺乳瓶/川田章夫
緑蔭に大き異国の乳母車/藤本朋子
異国人客に迎へるふとん干す/林康子
異国語が杜に氾濫小鳥来る/吉原文音
春の潮異国の貝を置きて去る/斉藤節
異国めく夏雲を負ひ尊徳碑/香西照雄
松茸が異国の赤い砂こぼす/根岸竹葉
異国船美し梅雨の崖壁に/五十嵐播水
俳句例:21句目~
水盗み来て愛想良き異国嫁/佐藤凌山
白埴の異国の酒器に菊を挿す/瀧春一
蘭の香や異国のやうな三日の月/一茶
蘭の香や異国のやうに三かの月/一茶
飛に驚く異国語に満てり/田川飛旅子
秋の浜芥に混ざり異国の壜/河井壮次
異国の血少し入っている菫/対馬康子
冬薔薇異国に散りし兵の墓/和田貞子
初釜や異国婦人も正座して/小島國夫
異国より子の声大き初電話/加納花子
異国語の重なりて来る雪祭り/村井杜子
異国米混ぜて戦後を遠ざかる/二星菜穂
ねぢあやめ異国の花と歳時記に/野田武
異国の死身近にしたり春の月/嶋田一歩
マンゴ売の声に異国の朝迎ふ/西本中江
異国旗のひきずられ行く雪峠/対馬康子
水盗むことを覚えし異国妻/笠原杜志彦
一門として会ふ異国冬ぬくし/山田弘子
七夕や異国に出会う親子鳥/丹後千代子
仔鴨食う巨き異国の男のなか/赤尾兜子
俳句例:41句目~
扇持つ異国に住めど日本人/左右木韋城
異国語もまじって雪の伝言板/的尾千代
異国語もまじる空港秋暑し/後藤軒太郎
日本も子等には異国柿の秋/目黒はるえ
百合開く絵皿の中にある異国/有馬朗人
熱燗を異国に酌みてルビー婚/河本好恵
氷菓買う異国の銀貨数へつつ/田中南耕
笛吹く風異国はカーニバルならむ/林翔
紅葉見や異國の王子馬で來る/正岡子規
子の耳の冷え異国語に聡明に/有馬朗人
花の夜や異国の兵と指睦び/鈴木しづ子
花木槿異国でありし吾が生地/川上良子
春場所や異国力士の大銀杏/椙本千代子
梧桐や異国少女の耳美しき/石田阿畏子
辻に屯う異国の娘らに秋の星/榎本愛子
降誕祭異国の船の沖に見ゆ/冨田みのる
雪の日を持たぬ異国の王の墓/対馬康子
風船の産地は異国鳴りに鳴る/小林一考
風邪声の妻よ異国へ吾子帰し/羽部洞然
異国にていま山吹の盛りなる/瀬田幸子
俳句例:61句目~
昼寝せる異国の人の彫り深く/大西美帆
異國語はささやく如し初電車/石田あき子
わが故郷異国となりし雁渡る/斎藤徳治郎
イブの夜を沖にあかあか異国船/石川鹿童
盆の入り異国の丘の歌聞こゆ/鈴木としお
砂丘ただ炎ゆ異国の轍のふかく荒く/太穂
ライラック近き異国に来りける/京極杞陽
福寿草すでに異国語まじゆ児と/村上淑子
二つなきいのち異国へ春の星/松本しげる
二百十日異國の船のはいりけり/正岡子規
大熊手手締めに見入る異国人/加賀さとし
万緑や異国の仏陀金まみれ/鍵和田ゆう子
宵闇に擦れ違ひみな異国びと/冨田みのる
花の陰今年もわれは異国人/マブソン青眼
屠蘇祝ひ異国の至友と詩の談義/関森勝夫
葛餅のガラス菓子器に異国めく/宗圓あき
神戸とは春風までも異国めく/山本よし子
師の御声か目覚めて異国夏の果て/杉本寛
栗鼠を追ひ異国の露に膝濡らす/毛塚静枝
街路樹落葉異国の厚い新聞買ふ/有馬朗人
俳句例:81句目~
見る月に異国母国もなかりけり/西本明子
赴任地は異国と告げし子の年賀/山田弘子
炎天や前世のやうに異国を過ぎ/桑原三郎
追儺会や鬼の加持受く異国びと/鶴/せつ
甲板に異國の月ともなかりけり/正岡子規
異国の人の脚の長さよ風炉点前/板谷芳浄
異国人まじりてゐたり送水会/福田萬喜子
異国語に身を売るときの雪崩音/櫂未知子
ねんねこの母親異国の人なりし/町田一雄
ぺ-チカや酔うて異国にゐる如し/岡蓬草
麦酒まず異国にねむる父に注ぐ/穂積曄子
花文字の異国の絵本クリスマス/石田/克子
異国語ばかりの軽い喧噪羽田の秋/伊丹公子
異国の虫吾子居ぬ家へ家路とて/平井さち子
薔薇園に異国のモデルポーズとる/高見孝子
異國で出逢ふ櫻とボレロ愛しあふ/筑紫磐井
形代や異国の子等の名も書きぬ/藤本スエ子
墓五百異国の蟻に馴染むらんか/猿橋統流子
異国よりとどくたよりも四月馬鹿/赤尾兜子
加はりて真似て異国の踊りかな/伊藤いと子