俳句例:101句目~
草原にかまけてわが日ほうけたり/津沢マサ子
穂草原師を焼きてあともう泣かず/増田河郎子
牛が立つ草原露けくずつと秋なる白波/大橋裸木
海へなぞへの草原の蝶がとんでゐる/栗林一石路
草原どこからもはいることができない/青木此君楼
太陽に恥づる身をもてきしひろき草原/栗林一石路
富士がとほく夕焼のまだ明りある草原/栗林一石路
夜明け五時ふと草原のキリンであった/岸本マチ子
汽笛ひびいて消えてゆくよりくるる草原/栗林一石路
履きへらした下駄で草原の秋を踏んで来た/大橋裸木
夕風あかるき草原の鶏追ふて土間にはいる/大橋裸木
ここ草原から都会の憂鬱が見えている気球/栗林一石路
子を呼ぶおのれに草原の子がみんな顔出した/大橋裸木
わたくしの始まりの景色/草原を吸うように木の一本立てり/鈴木英子