俳句例:101句目~
行きづりの初午末子へ加護祈る/中村草田男
柿を食ふ手の祈るごとべッドの上/桜井博道
われはたゞ旅すゞしかれと祈る也/正岡子規
祈ることなけれど夜々の月仰ぐ/石井とし夫
はらからのここにも祈る梅雨の燭/宮武寒々
雪に棲み小屋番祈ることありしと/岡田日郎
辻マリアしぐれにともる誰が祈る/文挟夫佐恵
鐘鳴ればボート漕ぐ手をとめて祈る/田村了咲
梅雨の蝶翔たざるは汝も祈るにや/成瀬櫻桃子
いつしんに祈るその父にともる燈明/栗林一石路
コスモスや祈るごとくに牛みがかれ/北原志満子
熱にもゆる手を組み祈るいなびかり/古賀まり子
凍雲光れカール/ローザヘ祈るものに/古沢太穂
合歓と爆音乙女らは祈る天ありや/赤城さかえ句集