俳句例:101句目~
中年やゆらゆらと蹤く夏の月/鍵和田ゆう子
中年の田植女ばかり田も痩せなむ/大熊輝一
中年の身ぬち軋めり牡丹の芽/鍵和田ゆう子
柚子を手に中年の笑みひるがへる/石原八束
ほくと零余子噛めば中年過ぎてをり/高澤良一
まして中年青梅噛んでの眉間の皺/伊丹三樹彦
はげしき怒りもてぬ中年へとちちろ/山本つぼみ
バレンタインデーか中年は傷だらけ/稲垣きくの
バレンタインの日か中年は傷だらけ/稲垣きくの
風呂吹きを吹き吹き食べて中年過ぎ/鈴木真砂女
氷菓互ひに中年の恋ほろにがき/秋元不死男「瘤」
中年の恋のだんだら日覆かな/星野石雀「薔薇館」
中年の男は不意に年をとる貨車ゆっくりと昼の遠景/岡部桂一郎
をさな子われ中年われ老年われも来て物干しに仰ぐ獅子座流星群/米川千嘉子