俳句例:101句目~
街路樹の夏や巷には木だまなし/米沢吾亦紅
スキー買へば巷にも雪降りそめつ/堀口星眠
春塵の巷にありて機屋かな/五十崎古郷句集
コップ酒秋行く巷のどこか見て/加倉井秋を
風邪流行る巷より人けふも来る/山口波津女
鰹一本井戸無き不自由な巷居/長谷川かな女
嫌な奴先ゆく街衢すでにあつく/川島彷徨子
カンナ立ち廃兵いまだ巷にあり/長谷川かな女
キヤンプ来て蜑が巷にたちまじる/佐野まもる
籠雲雀に街衢の伏屋の明け暮るゝ/竹下しづの女
笑みかく私服に一瞥三/一五の巷を去る/古沢太穂
サルヴィヤの白き花群巷より死界へ通ふ陥穽隠す/富小路禎子
茂吉逝きスターリン死す巷にて酒のむわれに何も起らず/椎名恒治
うららなる春の巷に昼火事の小さきけむりの靡かふを見つ/扇畑忠雄