俳句例:101句目~
国境に雪を降らせし卯月かな/長谷川かな女
弾き損じたギター国境へ散り散りに/伊丹公子
国境のよう麦秋にピアノ捨てられて/遠山郁好
赤い林檎の国境囓るミュージシャン/五島エミ
国境に鋸草などあはれなり/山口青邨「雪国」
国境をはるかに越えて迫りくる波あり春の岸辺を洗ふ/館山一子
貧乏な夢がガツガツ露満国境の塹壕を掘つてしまつた/橋本夢道
何の目標もない露満国境へぼこぼこ倒れる夢心地の日も/橋本夢道
国境追はれしカール/マルクスは妻におくれて死ににけるかな/大塚金之助
スイス国境踰ゆるまぎはのリラ一枝たましひの水際をかすめたり/塚本邦雄