俳句例:101句目~
天平のいらかより垂る雀の巣/木下千鶴子
朝霜やいらかにつゞく安房の海/正岡子規
羽子日和甍は艶を増しにけり/浜崎素粒子
芭蕉咲き甍かさねて堂立てり/水原秋櫻子
ほとけらに月夜の濡れし甍あり/伊丹三樹彦
沖膾国府の甍あれに見ゆ/蔵巨水「雄神川」
夜寒かな都のいらか打たるべし/宇多喜代子
地虫出づ甍のゆるみずずずずと/赤松ケイ子
甍いろをひそめてひさし雪催ほす/川島彷徨子
てふてふひらひらいらかをこえた/種田山頭火
ゆきぞらの下にて瑠璃のいらか華奢/久保田万太郎
いまは亡き星の光もまじらふをしづもりわたる夜半の連甍/大塚寅彦
しろじろと春日に甍反りゆけば危うく自恃を喪わんとす/大野とくよ