ダンサーに関連した俳句の例をまとめました。
ダンサーを含む俳句例
一群の踊子来たり寺の庭/眠花
踊子の昼は髭なき男かな/信徳
ダンサーの裸の上の裘/高浜虚子
踊り子を次々に呑み太柱/上野泰
踊子や貌月になり闇になり/鳳朗
踊子の踊衣裳は波に鬼/陣場直雄
踊子よあすは畠の草ぬかん/去来
鬼灯の籠さげ朝の踊子や/佐野美智
店先によべの踊子たたずめる/敏郎
立春の半島へ発つ踊子号/高澤良一
灯籠や踊子出づる宵の門/松瀬青々
踊子や振舞飯に尻込みす/高田蝶衣
踊子や夕まぐれして狂はしき/太魯
踊子や紅が淋しき草履の緒/原月舟
踊子に大望網が布かれあり/萩原麦草
ジプシーの丘踊り子の夏の夜/溝口直
屏風碑の太陽は白踊子は黒/田村了咲
踊り子と終の電車の十二月/清水基吉
満灯の踊り子船や鵜飼見る/高井北杜
踊り子の白扇月に返しては/黒田杏子
俳句例:21句目~
獅子頭とりし踊子西瓜食む/矢萩天崖
踊子の一人ふえしは狐なり/小川軽舟
踊子の咽鳴らし飲む家祗水/辻恵美子
何となく笑ひぬ寒き踊子と/塩川秀子
踊り子の揃ふ飼屋の虫の声/前田普羅
踊子の肌に紅ます夜更けては/杉本寛
初夢に見し踊子をつつしめり/森澄雄
親ならば見よ踊子の袖の鈴/立花北枝
踊子の髪に微光や夜半の春/原コウ子
踊子は去りて淋しき浜篝/石島雉子郎
踊子の負はれて戻る朧月/大須賀乙字
螻蛄鳴くや踊子は胸蝕まれ/白川京子
にくき踊子蓑虫を耳飾とす/宮武寒々
踊子号避寒の客を零しゆく/高澤良一
雪の夜の玻璃を鏡に踊子は/野中亮介
雪の夜の踊子の痣かくすなし/岸田稚
踊り子の肉塊を待つ湯槽かな/宮武寒々
踊子のくちびる白く明けにけり/大江丸
踊子に拍手してパリ夜は短か/山本歩禅
踊り子や生国の闇まうしろに/大盛和美
俳句例:41句目~
踊り子は掌の冷たさを詫びて云ふ/三鬼
踊り子の指の先まで夏まつり/中野哲子
薫風や踊り子号で落ち合ひし/澤村芳翠
踊子の足休むとき手を拍つて/綾部仁喜
踊子の足炉して待つ出番かな/古川芋蔓
春燈下踊り子靴をはき替ふる/田中冬二
踊子に閻魔詣での手をひかれ/星野石雀
踊子のほてりが過ぎぬ杉の闇/鈴木鷹夫
踊り子の踏めば玉吐く沢清水/前田普羅
天城路に踊り子のごと春の鹿/竹中蔦子
踊り子の声うち揃ふ日の出前/黒田杏子
踊子のひとりふたりと雁仰ぎ/田村了咲
秋の蚊に踊り子の脚たくましき/吉岡實
農婦夜は踊子となる賢治祭/菅原多つを
踊子のたたずむ雨の軒端かな/行方克己
踊り子の二の腕白し風の盆/大多和永子
霧に濡れ踊子も夜の家路なる/石原舟月
踊り子へやんやと放つ薔薇真紅/嶋田麻紀
踊子と楽士つれだち菊供養/長谷川浪々子
踊子にやはらかに足踏まれけり/西本一都
俳句例:61句目~
室咲のあしもと寒きダンサー達/岩田昌寿
パンジーはどれも踊子風わたる/岩崎照子
踊子の帰り来ぬ夜やきりぎりす/内藤丈草
乳牛に鶏頭投げて踊り子たち/中戸川朝人
佳木斯差す船に白夜の踊り子ら/原田青児
始は忘じぬ終は見えこずと踊り子/竹中宏
踊子の胸反らしたる刹那あり/坂本山秀朗
振り返りつゝいとけなき踊子よ/原田一郎
教師われの夜は踊子になりすます/樋笠文
月光で乾くか踊り子と仏陀の指/伊丹公子
河津川踊り子ざくらいまここに/落合水尾
踊子の遥かなる目のすすむなり/綾部仁喜
湯ヶ野から伊豆の踊子花野かな/瀧井孝作
白砂青松踊子鞍を卸さるゝ/安斎櫻カイ子
舟で来し踊子も輪に加はれり/八牧美喜子
蕎麦食ひに来し踊子のよそ~し/萩原麦草
踊り子のあれは鞴を押す手ぶり/道具永吉
踊り子の付け合う睫毛秋うらら/後藤淑子
踊り子の呵々と男に戻りけり/鳥居美智子
ドガの絵を抜け来踊子炉へ屈む/菅谷恒徳
俳句例:81句目~
雨の踊子毛布に眠る手を出して/金子兜太
踊り子の背ナに乗りゆく小蟷螂/野沢節子
踊り子の脚たかだかと十二月/鈴木えい子
踊り子の舌染むる飴海まつり/本庄登志彦
踊子の笠のうちこそ見まほしく/高濱年尾
わたしの中のわたしが踊子体温計/松本恭子
づかづかと来て踊子にさゝやける/高野素十
落花しきり棒のやうに飛ぶダンサー/皆吉司
ダンサーに買はるしな~と大根/秋元不死男
踊り子の眉の濃きかな荷風の忌/鈴木としお
荷風忌の踊り子がガムを噛む楽屋/伊藤黄雀
湯たんぽの湯はらふ諏訪の踊子よ/宮坂静生
踊子らたもとゆたかに夜を遊ぶ/大木格次郎
輪を抜け来し踊子の汗にほふなり/茂里正治
バリの月踊り子にいま神降り来/仲村美佐子
ゴヤの裸婦ドガの踊り子水澄めり/青木重行
踊子が顔をなほしてもらひをり/田畑三千女
踊り子の曲がりてひらく彼岸かな/攝津幸彦
踊り子の夜をトッケ鳴く火山澄む/伊丹公子
白鳥のごときダンサー火事を見て/百合山羽公