盆過ぎに関連した俳句の例をまとめました。
盆過ぎを含む俳句例
盆過て宵闇暗し虫の声/芭蕉
肉声もなく盆過ぎの白磧/子郷
盆過の紺紙金泥日課経/斉藤夏風
盆二日過て出来たる灯籠哉/一差
盆過の月明かに雨の音/正岡子規
盆過ぎの烏咥へる墓の餅/南恵子
身に入やうら盆過の夜の雨/鴻水
盆過ぎや朽川舟の荵草/中村草田男
をみならにいまの時過ぐ盆踊/澄雄
盆過の松の中なる松の雨/岡本高明
盆過ぎの寧き水音道志村/河野南畦
新盆の過ぎし山廬の太柱/松村蒼石
盆過や粉ひき臼にも風のたつ/道彦
盆過の村靜かなり猿廻し/正岡子規
盆過ぎや人佇つてゐる水の際/桂信子
盆過ぎて伯耆の国の綿の雲/山本洋子
盆過ぎの櫓解きゐる蜑の声/荻原芳堂
盆過ぎの天に巨鯨や衰へず/攝津幸彦
盆過ぎの松風を聴く沼津垣/黒田杏子
また母が老ゆ盆過の風の中/鈴木鷹夫
俳句例:21句目~
裏畑の脚立のぼれば盆の過ぐ/神蔵器
盆過ぎの雲掬ひ飲む宗祇水/田中英子
盆過ぎの講に持寄り団子汁/太田土男
盆過の花替ふほかは何となく/岡本眸
山の風田の風村に盆過ぎし/相馬遷子
盆過の箪笥の影に坐りけり/永島靖子
盆過ぎの無闇に広き家屋敷/野中足世
盆が過ぐ母さくさくと下草刈/中拓夫
日ぐらしや盆も過ぎ行く墓の松/蝶夢
盆過ぎて蝉鳴く天の雲明り/飯田蛇笏
盆三日眼くらくら過ぎにけり/原田喬
唐黍に白雲盆も過ぎにけり/大野林火
盆過の小草生えたる墓場哉/正岡子規
盆過ぎて素顔に戻る仏たち/武藤和子
盆過ぎし海を見てをり箒売/畠山譲二
盆過ぎや立待岬風ばかり/星野麦丘人
盆過ぎの村を自転車警邏の燈/鷹羽狩行
盆過ぎの框の広くなりにけり/石橋幾代
盆過ぎの畑へ火を入れ小諸人/宮坂静生
盆過ぎの草ばかり打ち捕虫網/松尾隆信
俳句例:41句目~
盆過ぎの蝉が東京駅に鳴く/大西八洲雄
盆過ぎの風の甚兵衛渡し趾/今井杏太郎
盆過ぎや漆ひかりの七つ竃/水原秋櫻子
盆過ぐる渡し板には撓み癖/ふけとしこ
地蔵盆過ぎたる機の音なりけり/安住敦
山の子が盆過ぎし空眺めゐる/林原耒井
薄闇に衣ずれが過ぎ盆過ぎぬ/鈴木鷹夫
旅にして今日見る墓は盆過ぎぬ/森田峠
白浪が盆過ぎの川馳せゆくよ/豊島美代
盆過ぎて何をたよりの竹煮草/川崎展宏
盆過ぎて磯浪海女に高くなる/田中七草
盆過ぎのこどもがまたぐ鯨尺/長谷川双
盆過ぎの夕雲高き飛燕かな/金尾梅の門
宵くらく盆過ぎの飢新たなり/石田波郷
盆過ぎの数となりけり鮎の竿/石田勝彦
盆過ぎの更に大きくうねる浪/高澤良一
盆過ぎの村やするどき水流る/関戸靖子
カメラ百箇床に撒き盆かくて過ぐ/竹中宏
すこし火をあげ盆過ぎの舟溜り/関戸靖子
盆過ぎや月を赤しと酢を買ひに/佐野美智
俳句例:61句目~
盆過ぎたり渚行くごと畳拭く/丸木美津子
盆過ぎの作句のことに横を向き/斉藤夏風
盆過ぎしさまに干草すこしして/木村蕪城
盆過ぎの墓地の寧けき暗さかな/菖蒲あや
冥きもの水より孵る盆過ぎて/河原枇杷男
帚木のあはあはと盆過ぎにけり/向笠和子
盆過ぎて元の一人となりにけり/長島/操
盆過ぎの甘蔗杖二本居間に置く/稲田和子
盆過ぎの生身の風に吹かれゐる/大橋敦子
溝萩の盆の過ぎたる頃に咲き/平山/愛子
浪々の身に盆一と日過ぎにけり/松村蒼石
箒木のあはあはと盆過ぎにけり/向笠和子
盆過ぎのむらさめすぐる榛の水/飯田蛇笏
盆過ぎの八尾は風の吹くばかり/村上建男
盆過ぎの草木此方へ吹かれけり/宮津昭彦
新盆の卒塔婆抱へられて過ぐ/佐々木六戈
盆過ぎてゐたり蝮を捕らざれど/茨木和生
盆過ぎの郵便布施に文添はず/赤松ケイ子
盆過ぎのたゞの地蔵や草の花/五十嵐播水
盆過ぎの梁のくらみに迷ひ鳥/能村登四郎
俳句例:81句目~
盆過ぎて薪伐る仕事はじめたり/山形悦子
盆過ぎやむしかへす日の俄か客/飯田蛇笏
盆過ぎの浜ぷりぷりと糶られ/鷲谷七菜子
ひざがしら平手でたたき盆過ぎし/長谷川双
ひとりには深きに過ぎて盆の空/三田きえ子
ひとり来てお盆の過ぎし墓を掃く/清崎敏郎
さくら島雲湧く日なり盆も過ぎ/木村ひで子
盆過ぎの粗き雨打つ別れかな/鍵和田ゆう子
盆過ぎの背中照らして老婆ゆく/北原志満子
盆過ぎの家ぬちふかく木の葉擦れ/柿本多映
盆の月虧けゆき母の忌も過ぎぬ/五十嵐播水
盆過ぎは雨降るならひこけし挽く/木村蕪城
風騒ぐ盆過ぎの灯をおそくまで/鈴木六林男
瀬の巨石だれも搬ばず盆過ぎゆく/友岡子郷
盆過ぎや竹ざうざうと虚空より/青柳志解樹
盆過ぎのつつぬけ空をふりかぶり/石田勝彦
祖父として寝不足の盆過ごしけり/山下年和
盆過ぎたり妻に八甲田や十和田/相原左義長
藁にかへる馬糞や盆も過ぎし道/中村草田男
藻にふれてひとり泳ぐや盆過ぎぬ/石田踏青