嫁ぐに関連した俳句の例をまとめました。
嫁ぐを含む俳句例
明日嫁ぐ鏡大きく雁渡し/石寒太
娘の嫁ぐ海光眩し夏初め/森総子
春蝉や嫁ぐ机に飴と錐/秋元不死男
嫁ぐ娘に嫁がす母に春灯/能美優子
初暦子の嫁ぐ日の二重丸/薦田伸子
嫁ぐ婢が老の脣紅大南風/宮武寒々
紅轎の少女や嫁ぐ鳳仙花/加藤楸邨
汝が嫁ぐ紅染月の草木かな/岸田稚
嫁ぐ日の大秋晴を賜はりぬ/池田秀水
嫁ぐこと拒みつづけて鉄線花/長田等
嫁ぐすぐ妊るあはれ櫻草/篠田悌二郎
三椏の花咲く村に嫁ぐとや/谷口君子
明日嫁ぐ子に家ぢゆうの春灯/堀曜子
明日は嫁ぐ娘とゐるや蛍の夜/田口巴
初釜や嫁ぐ日近き人も居て/菅沢泰子
待春や卒論の娘も嫁ぐ子も/小谷敦子
嫁ぐ子の童形立てり鶏頭に/相馬遷子
嫁ぐ子に市杵の姫へ初詣/山本行々子
嫁ぐ子に紬をゆづり初詣/上村比呂子
来年は嫁ぐ日記の厚き買ふ/久米正雄
俳句例:21句目~
母なくて嫁ぐ日近し実朝顔/山本朝子
秋風の初島いでぬ娘が嫁ぐ/萩原麦草
雲白くわが子が嫁ぐ秋来り/相馬遷子
靖國の子に嫁ぐ子に菊の雨/松村蒼石
嫁ぐ子の深まなざしよ白牡丹/白澤良子
嫁ぐ娘とおもへば愛し聖五月/谷中降子
嫁ぐ子の琴を包みて秋惜しむ/広瀬千鶴
嫁ぐ気のなき子と雛納めけり/飯田希々
嫁ぐ日のぬか床守り去年今年/角川春樹
嫁ぐ娘に言葉は要らず明易し/千原草之
いち抜けて長女が嫁ぐ春家族/鈴木鷹夫
嫁ぐ子へ日の剥がれゆく牡丹の芽/林翔
嫁ぐ日の近き身体で春に入る/田口茉於
春暁やけふ嫁ぐ汝に起さるる/島谷征良
嫁ぐ子と一夜の旅や明易き/山下千代子
嫁ぐ日の決りし春着縫ひ急ぐ/吉田久子
嫁ぐ子と花種選りぬ春立つ日/伊藤京子
嫁ぐ子と野に坐しわかつ夏蜜柑/及川貞
ゆく春や洋書も嫁ぐ子の荷にて/及川貞
乳親の嫁ぐとも聞く春の雨/中塚一碧樓
俳句例:41句目~
二女三女長女嫁ぐや桐は実に/関根牧草
枯芝に嫁ぐ日までの犬を愛す/大島民郎
明日嫁ぐ子の歌ひつつ髪洗ふ/関口美子
水温む嫁ぐ日近くなりたれば/田中冬二
嫁ぐとは不埓な言葉梅は實に/筑紫磐井
河豚汁や逢ふ瀬を嫁ぐごとくなり/康治
白藤の白に嫁ぐ日決まりけり/市村季子
秋の日の反射爐にみつ嫁ぐ人/横光利一
秋天の紺きつぱりと子の嫁ぐ/鹿喰悦子
嫁ぐ子に遣る何も無し秋深む/相馬遷子
粽結ふ嫁ぐ日までを母とゐて/中源信子
紀ノ川の水澄みて子の嫁ぐ朝/山中啓輔
舞ふごとく嫁ぐ裳の秋日微塵/小林康治
花冷の肩抱かれぬ嫁ぐ子に/秋月すが子
菜の花や嫁ぐ荷弾む三輪車/殿村莵絲子
雪国に嫁ぐ雪見に招かれて/長谷川回天
嫁ぐ子の時かけて雛納めをり/手島靖一
子が嫁ぐ師走十三日この日雪/鈴木鷹夫
髪高く結はれて嫁ぐ巣燕に/百合山羽公
明日嫁ぐ娘と月光に濡れゐたり/山田弘子
俳句例:61句目~
あしたには嫁ぐ日来たる花ゆすら/加藤悟
嫁ぐなる娘の初鏡にもやとて/池内たけし
嫁ぐひとは嫁ぎぬ十一月も去る/中島斌雄
嫁ぐ妹と蛙田を越え鉄路を越え/金子兜太
嫁ぐ娘とひたすらに摘む浜防風/佐藤信子
嫁ぐ娘に茶の花日和つゞきをり/川口咲子
牡蠣つゝき生涯嫁ぐことなきか/菖蒲あや
白は鷺柩のごと冬沼の詩は嫁ぐ/橋本夢道
嫁ぐ娘のなほ吾が翼下春炬燵/松尾ふみを
嫁ぐ娘の数珠を選びし彼岸かな/山田弘子
嫁ぐ子に荷嵩ふやして日の短か/毛塚静枝
嫁ぐ子の白きうなじや百合の花/川口洋子
嫁ぐ子を惜しみて花の種を蒔く/吉田守一
娘が嫁ぐいつか桐咲く穹の隅/山本つぼみ
嫁ぐ日のちかづく赤さ青木の実/和知喜八
嫁ぐ日の富士を近づけうつた姫/森田公司
嫁ぐ日の新米ことにかゞやける/山岸治子
若萩のまろく柔らかに葉子嫁ぐ/松村蒼石
菊日和嫁ぐ子の髪結ひじまい/花田みすず
菊美し嫁ぐべく兄征くべく/竹下しづの女
俳句例:81句目~
嫁ぐ日の海女天草をかざしけり/萩原麦草
蕗の薹踏みにじり去り嫁ぐなり/久米正雄
雛の目の優しさもてよ嫁ぐ日は/斉藤静弘
雪に置く濁活やはらかし妹嫁ぐ/宮坂静生
嫁ぐ日の近し白ばら愛しをり/柴田白葉女
嫁ぐ日来て涙もろきは母氷柱/中尾寿美子
嫁ぐ瞳にうなづけば足る父子草/佐野鬼人
嫁ぐ荷の出て空っぽや夏座敷/稲葉南海子
明日嫁ぐ子へまんさくの走り咲き/松村多美
めはじきや山の子花となり嫁ぐ/市村究一郎
こでまりに嫁ぐ日の娘のまだ素顔/片山亀夫
嫁ぐ子と水からくりを見てゐたり/関戸靖子
嫁ぐ娘に老いたる母の夜なべかな/中田隆子
嫁ぐ日のあるやあらずや雛飾る/河上たけし
嫁ぐ娘へ言葉さがして雪を見る/田川飛旅子
嫁ぐはまた隠るる如し曼珠沙華/山上樹実雄
嫁ぐときゝ聖樹の前も語り過ぐ/殿村菟絲子
嫁ぐ子や夢かうつつかアロエ咲く/実成邦子
嫁ぐため焼くものもあり遠き火事/対馬康子
をがたまの花咲き社家の娘が嫁ぐ/大橋敦子