散歩に関連した俳句の例をまとめました。
散歩を含む俳句例
お花畑雲の空中散歩かな/高澤良一
後園の接木を覗く散歩哉/正岡子規
高原の銀河は低し夜の散歩/塙告冬
蜻蛉や散歩の教授細面/柴田白葉女
藤村の墓へ散歩の落し文/伊澤織江
秋日濃し縁側散歩されし縁/上野泰
夏の月弟妹多き散歩かな/久米正雄
秋出水散歩の芝も泥の中/国久黄実
楽屋入までの散歩や朝桜/片岡我当
春風の句を案じつゝ散歩哉/正岡子規
大根引く畑にそふて散歩哉/正岡子規
麥を蒔く畑に出でゝ散歩哉/正岡子規
麥を蒔く畑にそふて散歩哉/正岡子規
源流を讃ふる碑あり避暑散歩/森田峠
門火して西方入日にと散歩/皆吉爽雨
散歩人行き交ひ小路帰り花/野口和子
黄昏を閉戸先生の散歩かな/尾崎紅葉
初茜犬との散歩変わりなく/青山郁子
漫々と散歩満天星芽を用意/清水清山
船を出て月に散歩す遊女町/正岡子規
俳句例:21句目～
秋気澄む伊能忠敬的散歩/佐々木六戈
吊し柿文學散歩バス連ね/石田あき子
哲学の道沿ひ鴨も散歩する/高澤良一
夏曉の散歩の顔の血色よき/高澤良一
夕餉すみて濱の散歩や鰯網/正岡子規
春風のやさしき散歩車椅子/窪田佐以
木犀を歴訪すべき散歩かな/相生垣瓜人
散歩杖二本を縁に避暑ふたリ/皆吉爽雨
杖振つて単りの散歩薔薇の朝/中尾白雨
水に沿ふけふの散歩は柳まで/矢島渚男
海見えて真砂路遠き散歩かな/尾崎紅葉
木苺をたうべ足らひて朝散歩/和田暖泡
犬蓼にけふの散歩はここ迄と/高澤良一
百歩にて返す散歩や母子草/水原秋櫻子
主人散歩のそりのそりと竃猫/山口青邨
秋日和散歩唱歌も忘れゐし/相生垣瓜人
初蝉を遠くにききぬ夕散歩/内田八重子
初雲雀鳴くや常なる散歩圏/徳永山冬子
初鴨のつきし湖畔と朝散歩/小原菁々子
空蝉を机上に置いて散歩果つ/高澤良一
俳句例:41句目～
見えてゐる海まで散歩風薫る/稲畑汀子
夕河岸や散歩がてらの泊り客/信太和風
雪虫や犬の散歩に道ゆづる/山下喜美子
霜朝のしやれた服着し犬散歩/戸沢綾乃
夜の散歩銀河の岸にそふ如し/井沢正江
散歩して少しのぼりぬ登山道/野村泊月
春隣しんじつ死人と散歩せり/攝津幸彦
朝霧に散歩の下駄の緒の緩し/高澤良一
外套をゆたかに着けて散歩かな/島田青峰
蛇となり水滴となる散歩かな/富澤赤黄男
被害妄想者そこらを散歩冬の蝶/山口青邨
とく起きて散歩かゝさず蓼の露/鈴木花蓑
桜しべ踏んで散歩のブルドッグ/川崎展宏
冬帽を着そめぬそこら散歩にも/皆吉爽雨
散歩又七時のニユースカンナの家/上野泰
世界との距離か白バラまで散歩/坪内稔典
入学の出でゆくあとを祖父散歩/皆吉爽雨
雲と子の散歩ふはふは日の永き/近藤伸子
雲の散歩わたしの散歩春立ちぬ/石井百合
夕蟇を杖にかけたる散歩かな/池内たけし
俳句例:61句目～
雲を脱ぐ富士が見えそめ避暑散歩/森田峠
梅雨晴間ぷらんぷらんと母散歩/高澤良一
漱石の散歩どこまでぬかごまで/坪内稔典
炎帝に追ひ返されし散歩かな/相生垣瓜人
青瓢ふらり散歩に出でしまま/櫛原希伊子
犬の美醜競ふ避暑地の散歩かな/谷口桂子
犬老いて散歩をきらふ冬の朝/萩原まさえ
散歩して紐外れきし秋のセル/百合山羽公
木の芽ふく十坪の庭を散歩かな/正岡子規
春暁や片足散歩の音はじまる/加藤知世子
杖捨てて手をふる散歩春暮るる/皆吉爽雨
春暁の散歩どこかで戻らねば/小野恵美子
文学散歩墨東に来て黄落期/長谷川かな女
水鳥の江に沿うて散歩眼明らか/清原枴童
雀隠れ母の散歩のポストまで/古賀まり子
散歩途上出合ひし犬も冬着着て/高澤良一
菊目石ひろひたる避暑散歩かな/岩崎照子
藁草履みなよろこべり避暑散歩/山本さい
散歩圏伸ばして河鹿鳴くところ/右城暮石
ぶんぶんをつけて戻りし朝散歩/後藤比奈夫
俳句例:81句目～
国喪の夜/ほら屋根裏に散歩者が/江里昭彦
モネの絵の池畔を散歩夢はじめ/大野雑草子
犬の好きな散歩コースやきりん草/植木登志
温泉の宿の朝の散歩のつるでまり/高濱年尾
踏み外しさうな歩板を避暑散歩/森田純一郎
避暑散歩奥の院まで行かずとも/坂本杜紀郎
避暑散歩手作りジャムの小店まで/高間礼子
雲雀野へ何時か伸ばしてゐる散歩/稲畑汀子
あたたかき今日は何せむまづ散歩/新明紫明
餅腹を空かさんそこらまで散歩/木内悠起子
老神父カーネーシヨンを持ち散歩/星野立子
散歩から帰りさし出す松ぼくり/太田富士子
山鳩のあゆむに蹤きて避暑散歩/岸野千鶴子
卯の花くだし上りぬセルを著て散歩/清原枴童
だんでいな老人散歩さざんか咲いた/柴田美代子
ちゃんちゃんこ着せて住人の犬散歩/高川芳之介
るんるんるんさやちゃん散歩赤い靴/おおしろ健
曼珠沙華にこゝろ置きつゝ散歩かな/五十崎古郷句集
森の奥ではしすしすしすひとめをしのぶ蛇性の散歩/高柳重信
散歩の杖もちて/此の日/ぶどうの雲の下/あるく/荻原井泉水
