山峡に関連した俳句の例をまとめました。
山峡を含む俳句例
山峡の百千の蟲夜を徹し/高澤良一
山峡の夕日を肩に田植人/福田和子
山峡へ帰る人あり十三夜/佐藤鬼房
山峡の一庵灯洩る西行忌/古川光春
錨草山峡に咲き船知らず/猪瀬/幸
山峡に星を片寄せ春一番/戸恒東人
山峡に沢蟹の華微かなり/金子兜太
山峡の二里の往診朴の花/松尾白汀
山峡は月にあふれて鷺の聲/中勘助
山峡の短日くれて擲つ板/原田青児
山峡の聖のごとく朴咲けり/平沢桂二
山峡の風に黄ばみて余り苗/高澤良一
山峡の鶴のまろ寝に月雫/上野さち子
山峡にまた時雨来る石鼎忌/藤田壽穂
山峡の黍チチハハと風に鳴る/穴井太
山峡に白く暮れゆく田掻馬/大井雅人
山峡を一つほたるの急行便/高澤良一
山峡のどんづまり宿薬喰/石井とし夫
晴れわたる山峡のそら唐辛子/関成美
山峡の淑気の鴉肩の高さ/熊澤さとし
俳句例:21句目～
山峡の暗さ吸ひ消し辛夷咲く/上村占
山峡の杉冴え返る谺かな/芥川龍之介
山峡に字一つづゝ秋晴るゝ/相馬遷子
山峡の燕巣造りこれからよ/高澤良一
山峡に灯が入りリラの花真白/青柳照葉
山峡に稲の音あり秋まぼろし/金子兜太
山峡のよろづ屋に買ふ花火束/伊藤敬子
山峡の風戸で降りて鮎を釣る/高澤良一
山峡の冬菜畑と海すこし/阿部みどり女
山峡の冬空よ生きせばむるか/細見綾子
山峡のレール秋ひき立ち迎ふ/横光利一
山峡をいでざる人の茂りかな/長谷川双
山峡をバスゆき去りぬ蕗の薹/三好達治
山峡の無人売場に毛虫はふ/尾沼チヨ子
春の日の山峡の家雉飼へり/柴田白葉女
山峡の水より醒めて水芭蕉/八木喜世子
月に冷えてかへる山峡二里の水/中勘助
散るははそ山峡歩きて顔乾く/北野民夫
あきらかに鴨の群あり山峡漂白/金子兜太
わさび田まで山峡町の貸自転車/伊丹公子
俳句例:41句目～
山峡の風をさなかり花擬宝珠/後藤喜美子
山峡の稲をいぢめに山背風くる/高澤良一
山峡の地図になき地図はだれ雪/秋野静子
照り降りの山峡たたくけらつつき/穴井太
そばの花咲きそろひたりしらじらとこの山峡にーむらむれて/長沢美津
