農家に関連した俳句の例をまとめました。
農家を含む俳句例
秋晴や蔵持つ農家稲の中/大谷句佛
神有月出雲農家は垣厚し/大津希水
若楓一樹農家の庭光る/百合山羽公
葛飾の古き農家の鬼打木/西山芳行
岩山に張りつく農家繭白し/相馬遷子
干瓢や盆の農家の隙見られ/小林康治
かや積んで隣り農家の冬早き/及川貞
農家の灯庭木に溢れ夜の秋/大井雅人
晴雪や農家の花嫁野を歩む/相馬遷子
福藁に仔牛の誕生待つ農家/横溝養三
菊籬農家の犬の吠えやすく/石川桂郎
冬瓜や改造農家夢肥やし/百合山羽公
貧農家雪囲ひして明るさよ/吉見春子
お歳暮と鯉二尾淀の農家より/宮林爽司
一戸のみの開拓農家薯の花/つじ加代子
垂り揃ふへちま農家の昼餉どき/及川貞
大原のとある農家の羽子日和/飯田蛇笏
濁り酒農家の茶碗どれにも疵/木村赤風
廃農家増えたる峡の田水張る/高橋悦男
秋風に餅しげく搗く喪の農家/相馬遷子
俳句例:21句目~
庭広く掃いて農家の葉鶏頭/深見けん二
水路洗ふ農家総出の五月来ぬ/影島智子
宝石より光る矢車農家の空/横山佳世子
蜑が家も農家も木槿垣を結ふ/高木晴子
豆撒きし闇に農家の灯が濁る/和知喜八
連綿と生れ次ぎ来し農家の蠅/右城暮石
鍵いらぬ農家の生活芋洗う/長谷川木芳
麺麭家族祭農家にはさまれて/右城暮石
別荘にはさまる農家罌粟咲けり/大島民郎
地虫なく農家と同じ夕餉どき/百合山羽公
灯まづしき農家がかざす八重桜/大島民郎
日光を浴びに出て飛ぶ農家の蠅/右城暮石
梨どきのけふも客ある一農家/片山鶏頭子
漁家農家菜の花の黄を内囲ひ/猪俣千代子
農家の子抱けば蜩なきにけり/百合山羽公
会議の窓遠の農家は羽子の音/中村草田男
鰥農家に脚ふんばつて茄子の牛/石川桂郎
冬の雁農家にたのむことばかり/百合山羽公
初富士へ農家はラヂオかけ放す/田川飛旅子
夕暮農家けむりの色になじみすぎる/穴井太
俳句例:41句目~
夜に入る喜雨農家幼きもの多し/榎本冬一郎
借りる湯も農家のにほひ地虫なく/百合山羽公
青葉木菟農家のあかりすぐ更けて/百合山羽公
かくれなき富士に草干す農家かな/阿部みどり女