茶店に関連した俳句の例をまとめました。
茶店を含む俳句例
雨音や茶店簡単に秋冷/峠素子
吉原を見下す花の茶店哉/正岡子規
茶店あり白馬繋ぐ桃の花/正岡子規
風花や茶店の篭の黒玉子/曽我玉枝
春惜む三千院の茶店かな/野村泊月
杉落葉茶店の奥の火が見えて/小六
杉高く秋の夕日の茶店哉/正岡子規
清水引く茶店の庭の筧哉/正岡子規
蜩や上野の茶店灯ともる/正岡子規
梨くふて暫く憩ふ茶店哉/正岡子規
老春や大樹の下の寺茶店/河野静雲
麦の穂の中の茶店や心太/松藤夏山
橋際に藤棚のある茶店哉/正岡子規
藤棚に提灯つりし茶店哉/正岡子規
八橋を売る茶店あり杜若/正岡子規
旧街道峠の茶店の長火鉢/蕪木啓子
石段に茶店の鶏や春の山/大橋櫻坡子
しら梅や北野の茶店にすまひ取/蕪村
花芦に茶店の閑や向島/長谷川零餘子
茶店より出てさざ波の花筏/平野冴子
俳句例:21句目~
草屋なる茶店なりけり心太/尾崎迷堂
蕣に餅あたゝかき茶店かな/正岡子規
街道や稲架の中なる柿茶店/河野静雲
鶯笛ここより瀞へ茶店あり/佐藤輝城
雉一羽吊りし山路の茶店哉/正岡子規
樒売る婆々の茶店や木下闇/正岡子規
一老樹這枝茂リテ下ニ茶店/正岡子規
汽車を見る崖の茶店や花芒/正岡子規
浮寝鳥看板こけし茶店かな/清原枴童
海水浴の茶店に風の塊りが/松瀬青々
柴又の茶店いづれば稻の雨/正岡子規
煤払してゐる茶店草鞋売る/高木晴子
夜桜にこもる茶店の煙かな/正岡子規
姉弟で守れる滝の茶店かな/野村泊月
子烏を飼へる茶店や松の下/高濱虚子
春の山茶店開かれありにけり/松藤夏山
つぎものゝ茶店嫗も夏行かな/河野静雲
つくりしよ茶店の前の草の花/正岡子規
つゝじ多く石碑立たる茶店哉/正岡子規
葉櫻にひまな茶店の緋毛氈/成瀬桜桃子
俳句例:41句目~
やまめ釣戻り来りし茶店かな/野村泊月
よく喋る茶店の鸚鵡木の芽晴/中山輝鈴
瓜喰ふて旅の労れや野の茶店/正岡子規
ラムネ飲む茶店に城の崖迫り/野中木立
九時の鐘に茶店を鎖す桜かな/正岡子規
二軒目の茶店に休む夏野かな/正岡子規
秋晴の城を見上げて茶店かな/野村泊月
声張りて磯の茶店も海開き/藤原たかを
行春の床几たゞある茶店かな/野村泊月
梅林の月に閉せる茶店かな/五十嵐播水
稻刈るや螽飛び込む野の茶店/正岡子規
蚊遣香昼より焚ける茶店かな/勝又一透
清水の早紅葉の辺の茶店かな/高濱年尾
江の島の茶店の春の煖炉かな/風間啓二
新酒売る茶店ならぶや二三軒/寺田寅彦
葉桜に全くひまな茶店かな/近藤いぬゐ
矢田寺に茶店出てをり心太/植竹美代子
近江路や茶店茶店の木瓜の花/正岡子規
餅を売る茶店の軒や柿垂るゝ/寺田寅彦
三方の花を見下ろす茶店かな/野村泊月
俳句例:61句目~
雨にぬれ茶店の前の子鹿かな/村尾梅風
柿ばかり竝べし須磨の茶店哉/正岡子規
雲そこを飛ぶ夏山の茶店かな/高浜虚子
春を待つ鳥居の前の茶店かな/野村泊月
駄菓子賣る茶店の門の柿青し/正岡子規
鮎を焼く木炭こぼし茶店留守/高井北杜
灯の入りし湖尻の茶店行々子/瀬戸豊子
鶴引きて一軒きりの茶店閉づ/清水諄子
水草の生ひはじめたる茶店かな/松藤夏山
虫の音に沈みて暗き茶店あり/大木さつき
かしこくも茶店出しけり夏木立/蕪村遺稿
のどかさに餅くふ三井の茶店哉/正岡子規
遊船も出ではらひたる茶店かな/野村泊月
初観音梅のかげさす茶店かな/織田烏不関
島の著莪活けて茶店の富士見亭/高澤良一
待ちし甲斐ありし茶店の穴子飯/稲畑汀子
放生会蓮の茶店の旅人かな/久保田万太郎
日の丸をたゝむ茶店を畳むごと/攝津幸彦
花冷の茶店やいたく煙らする/五十嵐播水
秋の声茶店しまへばただの土間/香西照雄
俳句例:81句目~
湖畔まで稲架立ち竝び茶店ひま/原田青児
尾花常山崖の茶店や汽車を見る/正岡子規
草餅に紀の中へちの茶店かな/楠目橙黄子
盆に三つ大きな柿や野の茶店/岡本癖三酔
鷹の子育てし茶店の話岬村/鍵和田ゆう子
鹿の絵の屏風を立てて茶店かな/下村梅子
落葉掃くことをたのしみ茶店守り/高濱年尾
焼山の茶店で書きし手紙かな/長谷川零餘子
秋の灯や雨の茶店の早じまひ/阿部みどり女
遠くまで出でて水打つ茶店かな/大橋櫻坡子
長岡のモダン茶店の五月かな/久保田万太郎
ポストある茶店で書いて避暑便り/千原草之
虻一つ居て行き過ぎし茶店かな/長谷川零余子
強東風によしずたふれし茶店あり/阿部みどり女
夕焼け杉間からの茶店に暗くされてゐる/栗林一石路
郵便夫来る潮浴びの茶店にも/大星たかし「かつらぎ選集」