出口に関連した俳句の例をまとめました。
出口を含む俳句例
入口の遠くに出口冬構/鷹羽狩行
迷宮の出口入口破れ蓮/山本秋穂
入口も桜出口も桜かな/正岡子規
夢になき出口夢みる桜かな/原裕
外套や館の出口は横町に/藤後左右
入口と出口に高く鳥兜/宇多喜代子
公園の出口違へて竹煮草/満田玲子
再会の紺を絞りぬ西出口/攝津幸彦
初夢の出口に妻とすれ違ふ/神蔵器
北口へ別るる出口秋の雷/水田光雄
春眠の出口に獏が屯する/武田和郎
どの家も出口一つや雪囲/漾ひとし
啓蟄や地下の出口のABC/田口圭
議事堂や出口出口の青簾/正岡子規
藤原の出口に寒し牢屋敷/正岡子規
秋霖の裏にも出口屋敷森/松永浮堂
鳥帰る老は出口のなき淵か/飯田龍太
馬追や闇に入口出口あり/久保美智子
野が見ゆる町の出口の夏柳/正岡子規
大家や出口出口の松かざり/正岡子規
俳句例:21句目～
土竜穴あり出口なし冬菜畑/平松三平
里山の出口入口うめもどき/岡井省二
地下鉄の出口Aより緑さす/烏丸道子
通ひけり出口の柳散る日迄/正岡子規
病院の出口はふたつ蛇の衣/沢田正博
杉の杜の出口に白き桜かな/正岡子規
一駅に出口七つや赤い羽根/山縣輝夫
入口は出口にあらず蟻地獄/須藤常央
大劇場横町へ出口春の泥/大橋櫻坡子
勧工場出口になりぬ夏の月/籾山柑子
病院の出口はや暮れ焼芋屋/中村明子
明易の夢の出口が見つからぬ/伊藤格
啓蟄の人に四角な地下出口/辻田克巳
地吹雪に出口もあらず狐塚/古舘曹人
えご散れり森の出口の明るさは/原柯城
くれがての菊人形の出口かな/京極杞陽
この国の出口は一つ麦酒飲む/対馬康子
入口があれば出口のなき梅見/岡田史乃
入口と出口に見張り苺狩り/松本サキ子
入口のあって出口のない枯野/並河/洋
俳句例:41句目～
出口なき空へ冬木の透きとおる/穴井太
初夢の出口のあたり行き戻り/山田弘子
巴里祭女の出口でたたらふむ/柳瀬亜湖
夜桜の出口を探している二人/対馬康子
女の子は丸めた鼻紙出口どこ/上月/章
朧夜の出口を探す親子かな/小泉八重子
廻廊の出口に鹿の来てゐたり/佐川広治
春寒くこころの壁に出口なし/新明紫明
春眠の出口で人にはぐれけり/大畑真喜
春逝くを病院の出口まで見て/和田悟朗
春雷の出口は海の底なりし/松本ヤチヨ
月明の山出口なしつひになし/黒田杏子
梨を食ふ林の出口どしやぶりに/中拓夫
極寒の出口をさがす雑木山/福田甲子雄
洞出口やさしきまゝの少女の頬/澁谷道
炎帝の待ち伏せにあふ地下出口/原幸子
苗木市どこも入口どこも出口/北野民夫
萍の出口の水の鳴りにけり/藤田あけ烏
薔薇の園引返さねば出口なし/津田清子
西日差す修道院に出口なし/早川とも子
俳句例:61句目～
長江の出口入口北風を呑む/柴崎左田男
震災忌地下鉄出口闇に向き/山下知津子
朝寒や腹を助くる温泉の出口/松根東洋城
牛蒡掘る森の出口の風溜り/鍵和田ゆう子
病廊出口そこがれんげ野の入口/中村明子
冬の霧こゑを出さねば出口なし/小林潔彦
緑蔭に小さな出口ありにけり/岩淵喜代子
蓑虫に森の出口をききゐたり/上田日差子
西口の出口にまよひ空也の忌/秋山巳之流
春眠の出口なかなか見つからず/鷹羽狩行
豊満な出口が歩くかたつむり/増田まさみ
身の内に北風の入口出口あり/加藤はま子
あめんぼの未来へ水の出口あり/脇本星浪
駅出口寒月喧嘩地区で消え/長谷部さかな
あしたへの夢の出口の日脚伸ぶ/梅本/文
猫の出口死者の窓ほど西日かな/大木あまり
トンネルの出口かつと日の照青芒/北原白秋
天高くいつからわれを待つ出口/津沢マサ子
スコールならめ防空壕の出口明し/香西照雄
ここで終わらじ風の出口の菱の花/河合凱夫
俳句例:81句目～
いつまでも花野に出口なくてよし/安田直子
正月のいたるところに世の出口/鈴木六林男
黄落やどこまで行けば喪の出口/宮川としを
破れ傘咲き晩学に出口なし/宮脇白夜「緑酒」
出口なきまでの紅葉にあそびけり/猪俣千代子
なつかしや蚕屋の出口の貝割菜/長谷川零餘子
ネクタイきちっと本音の出口を塞いだな/山下裕康
回転ドアーやもめに出口見えて来ない/小笠原/裕子
何う手探りしても出口のない寒の内かな/冬の土宮林菫哉
鍾乳洞出口の岩菲ゆれてをる/二塚元子「かつらぎ選集」
反芻をしてわれ生きむ馬くさく昭和の入口昭和の出口/山田富士郎
フランスの詰彙を学べるわが上にああ月といふ此岸の出口/黒瀬珂瀾
