野菜に関連した俳句の例をまとめました。
野菜を含む俳句例
春暁や野菜車の相次で/篠原
白菜は藁の鉢巻野菜舟/浜明史
配送の野菜満載雪上車/羽吹利夫
冬隣る秩父の市の野菜馬/石原舟月
半夏水や野菜のきれる竹生嶋/許六
赤トンボ市花市野菜市/坂野登志子
秋深し地下食堂の貧血野菜/穴井太
満月に傷あり肉肉野菜肉/夏石番矢
大鍋は寄進の野菜報恩講/皆川光峰
料峭や括り直して野菜売る/原光栄
新田郡冬の野菜は萌黄色/角川照子
大鍋に野菜がおどる初竃/小松富子
野菜曳く村の小町の頬被り/松浦釉
八月や野菜畑の疲れけり/清水静子
内子座の片陰にゐる野菜売/安藤実
旧正の門の内なる野菜畑/吉田槻水
野菜売り鶏鳴に来て春の汗/友岡子郷
才能をほめる送別会の野菜/増山美島
掃き寄せて芋茎祭の野菜屑/江川虹村
雪中に眠る野菜と父のパイプ/穴井太
俳句例:21句目~
大霜の上げ潮にのる野菜舟/石原舟月
森の家のぞく驟雨の野菜売/堀口星眠
水澄んで籠一杯の野菜かな/岸本尚毅
寒雲より垂れ来て塔や野菜市/有働亨
灯台が見え花野菜収穫期/伊藤いと子
赤とんぼ野菜いろ~の裏畠/滝井孝作
上賀茂や涼しき声の野菜売/松浦克子
冬深む汁の野菜に甘味出て/大熊輝一
野兎も売る朝採りの野菜市/伊澤秋家
あるままに野菜揃へて七日粥/川村甚七
いなづまにつめたき籠の野菜かな/林火
朝うちは野菜もならぶ生姜市/甲賀山村
野菜くさ~他に白も少しあり/高浜虚子
野菜市場にさんさんと雪解星/飯田龍太
畝涼しく高原野菜向ひ峯まで/佐野美智
クレープの野菜の温し黄落季/関森勝夫
約束の目高もさげて野菜売/塩谷はつ枝
野菜抱き日焼けも怖ぢず附添婦/及川貞
旅に覚めりんりんと冬野菜ある/渋谷道
冬瓜のひとつがふさぐ野菜籠/和田祥子
俳句例:41句目~
出来のよき野菜をならべ農具市/森田峠
野菜涅槃図葱の高足侍りけり/高澤良一
野菜種さらさら乾き虫時雨/殿村莵絲子
野菜苗勤めもどりて夜に植うる/瀧春一
太陽は街に野菜はトラックに/寺川峡秋
女兵居り空が野菜の匂いして/阿部完市
小雪や月の夜干しの白野菜/細木芒角星
鳥帰る野菜の花の咲くころを/岡本高明
野菜苗植ゑて幸福な日と云はむ/瀧春一
蟹赤し野菜を洗ふ海女の前/米澤吾亦紅
どこかが火事硝子と変る野菜屑/寺田京子
極暑なる野菜炒めの鍋飛び出て/伊藤京子
真ん中に露けく座り野菜売り/安田千枝子
鋭く苦き野菜を愛す真昼なり/水野真由美
ビニールの中ともされて冬野菜/中野白暮
己が荷にもたれ昼寝の野菜売/長屋せい子
味噌野菜ふる里のしあわせ送る/山本幸江
雪割つて野菜掘り出す義仲忌/寺崎美江女
福引の野菜の嵩をもてあまし/田中千鶴子
青みどろ野菜高値となりにけり/岩田由美
俳句例:61句目~
火鉢だきほまち稼ぎの野菜売り/田中明子
野菜好きの人々異端教義の相談/田中信克
野菜工場から帰り戦争映画観る/清水冬視
野菜庫ヘコックの傘や冬の雨/楠目橙黄子
海じまひけふに夕日の野菜売/篠田悌二郎
もてなしの秋の野菜の彩の冴え/柴田白葉女
変な一日だった空飛ぶ野菜だった/井手都子
フライパンに野菜が跳ねるパリー祭/堀敬子
帰省子の気がやさしくて野菜とる/飯田蛇笏
掘り起す野菜まぶしき二月かな/吉河ともこ
獲りたての野菜の籠にきりぎりす/石倉京子
玩具と野菜畳に置くよ春待つよ/磯貝碧蹄館
短日やトラックで来る野菜売り/小俣由とり
神楽宿のわやわや切り口並ぶ野菜/伊丹公子
いもうとが一羽二羽ゐて夏やさい/筑紫磐井
薄れしは野菜のあまみ年用意/鍵和田ゆう子
野菜籠ころがり朝のひかりあふれ/磯辺幹介
野菜サラダけっこう場所をとる朝だ/前田弘
モチーフの野菜勝手な事を云う/笛木あき子
野菜屋に花の売らるる彼岸かな/井浦ひろ子
俳句例:81句目~
清水鳴る高原野菜「プッチーニ」/吉原文音
身に入みてけふこの頃の野菜かな/岸本尚毅
夏の霧やさいさらだに来ていたり/小宅容義
ふんだんに高原野菜のバーベキュー/高澤良一
朝の野菜バリバリ噛んで脱皮する/岸本マチ子
死の朝は野菜積まれるそのならわし/岩切雅人
野菜サラダを盛り上げてゆく平和主義/森須蘭
野菜炒めへ灯がとびこむよ復活祭/磯貝碧蹄館
コスモス畑で野菜のようなkiss/橋田サカエ
山ン中の野菜ばたけへ滝きこゆ/飛鳥田れい無公
春の雨ぶり心臓があり野菜サラダの一皿/中塚たづ子
ひし~と背骨を感じ野菜の中にある蕗の薹/中塚たづ子