神々に関連した俳句の例をまとめました。
神々を含む俳句例
神々の戦稲妻二打三打/柴田奈美
雲開けて白き神々雪蛍/伊藤白雲
花かしげゐる菫草神神し/中田剛
神々に柏手二つ秋高し/金山有紘
神神と倡婦ら端居下校道/竹中宏
神々の焚火出雲の夕焼は/柴田奈美
神々の幸はふ国のひめ始/森田真臣
霧の中より神神の遊ぶ笛/宮下翠舟
海山の神々老いぬ蒲の絮/田中裕明
葛城に神々多し田植唄/米澤吾亦紅
神々と出雲へ羽田発八時/鈴木鷹夫
八百万神々迎へ野山燦/石原今日歩
神々の口角の泡雪しまく/磯部充子
神神の器も茣蓙に年の市/白川時子
勿忘草神々の座に氷河照り/有働亨
国引きし神神の裔鰯引く/丸山/遥
神々に祈りしをれば夏の靄/原石鼎
神々の座とし春嶺なほ威あり/蓼汀
山の春神々雲を白うしぬ/飯田蛇笏
神楽舞野の神々の淫唄/櫛原希伊子
俳句例:21句目~
神々を袋詰めにし札納/太田三映子
神々の留守の森にて烏瓜/鈴木松山
うるはしき神々の恋建国日/水野朱堂
神々の沓音に雪降りはじむ/奥坂まや
神々の椿こぼるゝ能登の海/前田普羅
神々の空ゆく哄ひ虎落笛/渡邊千枝子
神々の絵の具も尽きて山紅葉/原田明
下向にも神神坐す山の藤/阿波野青畝
両神の神々鹿を聞くころか/中山世一
五月蠅なす神々の国日本は/茨木和生
神々の衣ずれ天に霧氷ちる/太田昌子
早苗田を水の神々渡りゆく/品田弘子
神々の裔の諸びと葱坊主/小松崎爽青
神々の通りたる道凍りけり/高澤晶子
花の上に神々を見失ふ勿れ/片山桃史
神々を咫尺の俳話夏ちかむ/宮武寒々
綱貫は神々が履く沓に似る/中西碧秋
音速を絶ち神々のひかり苔/佐藤鬼房
早池峰の神々こぞる初神楽/山本一歩
葛城の神々の村小豆干す/松下風草子
俳句例:41句目~
春の沖神々に力瘤ありや/宇多喜代子
葛城の神々老いぬ啄木鳥/大峯あきら
雷鳥や白き神々座を据ゑし/河野南畦
神々と春日茂りてつづら山/上島鬼貫
神々の呼吸紅葉の中に聴く/岡村行雄
神々の伊勢一の宮お元日/松崎鉄之介
神々の国の青きを踏み称ふ/鷲谷七菜子
ゆゝしさや内外の宮の神々樂/正岡子規
石積んで祀る神々冬うらら/三枝ふみ代
神々の滝てふ銀河しぶくなり/田中玉江
先發や出雲へかゝるさゐの神/正岡子規
初東風に伊勢の神々耳すませ/高澤良一
神々のたたかひし野に鍬始/大峯あきら
夜あそびの神々椿降らせけり/吉田紫乃
奥宇陀の神々語る野焼かな/大峯あきら
寒夕焼神々の座は炎えあがり/堀口星眠
長月尽く神神に宿割り振れば/大屋達治
初伊勢の神々の名のみな長し/行沢雨晴
海紅豆咲くや神々あそびし野/大島民郎
神々の世にあるおもひ鎮花祭/深沢暁子
俳句例:61句目~
神々の田を植うる季山廬病む/松村蒼石
水澄むや神々の代の杉の根に/島谷征良
神々の留守の縞目の焦がす/神尾久美子
神々の名のややこしき初神楽/大倉祥男
神々の合図と知らず朴散華/小泉八重子
霧の旅神々はみな素足にて/石崎多寿子
神々の息のきらめく瀑布かな/仙田洋子
神々の近くに熟れて鬼胡桃/天下井誠史
神々をとまどひ数へ飾買ふ/米澤吾亦紅
神々を生むは絵筆の座り神/伊丹三樹彦
金雀枝や地の神々を遠くして/坂井三輪
神々の乗り込む船が夕焼けて/高澤良一
神々のとりどりの夏木立かな/村田治男
神の留守絵馬堂裏で恋に逢ふ/北野民夫
神々に抱かれてゐる睦月かな/中村正幸
神々の暮らしの跡の薄紅葉/小泉八重子
神々いつよリ生肉嫌う桃の花/赤尾兜子
神々のみ代の如くに菜殻燃ゆ/野見山朱鳥
神々の御代のごとくに野火赤し/高橋秋郊
神々の意のこまごまと名草の芽/藤田湘子
俳句例:81句目~
神々のたはむれし地や青踏める/橋本榮治
神々の掃きたるところ朴の花/九鬼あきゑ
神神を待つひつじ田のさはに青/大屋達治
えご咲くや神々路傍に抱き合ふ/水野真由美
岩戸朝涼素面三十路の神々たち/平井さち子
春星さんざめくエローラの神々へ/宇咲冬男
木の実落つ神々の地を踏みてをり/田中水桜
地の神々/熔岩の広大な山に住む/氷海兼人
神々の「まもなく」を聞く薊かな/夏石番矢
紫苑高しやがて神々来る露地に/永井由紀子
アネモネや神々の世もなまぐさし/鍵和田釉子
ビール園神神もかく屯せし/平畑静塔「漁歌」
神々をおろがまざりし髪洗ふ/井上弘美「あをぞら」
蒲葵山のクバに降り来し神々のしばしを憩ふ闇ほのかなり/平山良明