花疲れに関連した俳句の例をまとめました。
花疲れを含む俳句例
眼裏の模様細かし花疲れ/都筑智子
椎の花疲れて何も考へぬ/行方克巳
鉄瓶の白湯の甘さよ花疲れ/杉良介
花疲れ靴の埃に夕ごころ/吉屋信子
一泊の部屋を点して花疲れ/一枝伸
万歩計一万歩越す花疲れ/須山重信
大仏を割愛したる花疲れ/高澤良一
花疲れ五枚鞐を外しては/都筑智子
女湯の更けし桶音花疲れ/堤俳一佳
岩惣の塗脇息に花疲れ/鈴鹿野風呂
町騒の甦へるより花疲れ/山田弘子
帯解きし渦の中なる花疲れ/鈴木世記
欄干に皆もたれゐる花疲れ/高木晴子
花疲れ吊革分かつ知らぬ人/吉屋信子
首傾ぐ弥勒菩薩や花疲れ/殿村莵絲子
花疲れすでに洗濯機を廻る/柴田奈美
解く帯の渦の中なる花疲れ/白川節子
中指の絵の裸婦はみな花疲れ/皆吉司
花疲れ芦辺踊の椅子に在り/伊東祐翠
耳飾り外してよりの花疲れ/高橋満子
俳句例:21句目~
花疲れして観音の前にゐる/佐藤尚子
命杖に握り艶出て花疲れ/鳥居おさむ
花疲れ膝にこぼせる五色豆/斎藤朗笛
大いなる空の下なる花疲れ/大坂黎子
大仏の背の絶壁や花疲れ/殿村莵絲子
花疲れ縁談づかれかもしれず/車谷弘
花疲れ眠れる人に凭り眠る/高浜虚子
川を見て坐れる母や花疲れ/北澤瑞史
白松が最中をまへに花疲れ/川崎展宏
花疲れ静かに静かに失速し/渡辺誠一郎
誰彼にひきあはされて花疲れ/安部悌子
身のうちにのこる谿音花疲れ/立石萌木
黄昏をしみじみ背負う花疲れ/浦野幸水
さよならを交し一気に花疲れ/村山/映
まつしろな空の下なる花疲れ/石田郷子
光にも揉まれしごとし花疲れ/香西照雄
前の人きらびやかなる花疲れ/後藤夜半
天気予報のずれ半日や花疲れ/細谷喨々
帯ときし渦の中なる花疲れ/新明セツ子
帯とくや花疲れより人疲れ/鈴木真砂女
俳句例:41句目~
庖丁の重さや花疲れとも違ふ/中村明子
流れゆく水を見てゐて花疲れ/福田蓼汀
温みある足袋を重ねて花疲れ/三好潤子
片減りの印つよく挿す花疲れ/小島花枝
筆立にいろいろのペン花疲れ/矢村三生
花疲れ重ねつつ旅終りけり/成瀬正とし
花の句に疲れてやがて花疲れ/鈴木鷹夫
花疲れこの世に疲れたるごとし/大串章
花疲れまどろみてなほ花の中/桜井筑蛙
花疲れ一つ床几に女同志/阿部みどり女
花疲れ先づひもとくは五元集/加藤郁乎
花疲れ帯なが~とときしまゝ/足立文女
花疲れ湯疲れの身を船室に/高頭芳櫻子
花疲れ瞑想のごと眼をつむる/冨岡梧桐
花疲れ蝸牛われをなぞるなり/攝津幸彦
いつもより電車が揺れる花疲れ/中山洋子
うとましき顔みられけり花疲れ/石橋秀野
おのがじし道をひろへる花疲れ/後藤夜半
女体には芯のありしか花疲れ/服部くらら
花疲れ灯にちらばつて足袋と足/今瀬剛一
俳句例:61句目~
牛立つて黒い帆となる花疲れ/田川飛旅子
花疲れかくしもならぬ起居かな/高濱年尾
花疲れ烏賊を刺身にさせて買ふ/北野民夫
母いますまどゐに遠く花疲れ/馬場移公子
花疲れ夢の中にもありにけり/平尾みさを
花疲れ眠る子抱いて眠りけり/高橋うめ子
花疲れ愚陀佛宜しく湯を浴みて/高澤良一
花疲れ流れについてゆくとなく/鈴木花蓑
寺の戸の木目のしるき花疲れ/岩淵喜代子
坐りたるまゝ帯とくや花疲れ/鈴木真砂女
結び癖のこるネクタイ花疲れ/土田日露支
脱ぎ捨ての帯のはし踏む花疲れ/湯浅康右
空いてゐし床几にかけぬ花疲れ/後藤夜半
一服の茶の香にいやす花疲れ/後閑マキ子
みどり児に見つめられゐて花疲れ/森田峠
足袋脱いで素足となりぬ花疲れ/田中冬二
花疲ればかりでもなし嫁がせて/石川文子
雨だれの誘ふまどろみ花疲れ/大竹きみ江
つつましき欠伸してゐる花疲れ/川端豊子
花疲れいつもうしろに誰かゐて/つじ加代子
俳句例:81句目~
花疲れ糸の切れたる如く座す/宇都木水晶花
花疲れとは酔ひざめに似たるかな/今瀬剛一
足袋を脱ぐ足のほてりや花疲れ/鈴木真砂女
花疲れおなんど色に昏れてゆき/斉藤冨美子
花疲れ卓に肱投げて料理註文/阿部みどり女
ひとまはりして来しばかり花疲れ/高濱年尾
花疲れかもガラス器で割るたまご/辻美奈子
花疲れからすの灸に泣く児ゐて/平井さち子
花疲れおいてきぼりにされにけり/久保田万太郎
丸髷のかつら重たし花疲れ/万太郎せん/吉屋信子
おひおひに別れてよりの花疲れ/万太郎せん/吉屋信子