岩に関連した俳句の例をまとめました。
岩を含む俳句例
川音す雪代岩皿にのせ/森澄雄
山桑の花咲く頃の岩狩/高野素十
岩陰にかくれて久し岩釣/松本豊
旅人に昨日は岩今日は鮎/森田峠
岩棲む沢音高き禁漁区/宮田俊子
岩焼く泳ぐ形に串刺して/神蔵器
淡雪や岩骨酒二合ほど/田中裕明
岩焼く山国の星瞭かに/西村公鳳
熱燗や炉辺の岩も焼加減/樋笠文
月の出を雪しろ岩箸の尖/佐野美智
岩焼く合掌梁へ煤あげて/小林千草
岩釣石菖深く座を求む/楠目橙黄子
青虫を呑みし岩の脂鮨/高垣美恵子
霧に沈む笠岳岩焼かれゐて/及川貞
見事なる生椎茸に岩添へ/高浜虚子
串伝ふ脂の光り岩焼く/深見けん二
岩釣水濁さずに歩きけり/茨木和生
秋口の雨にぬれたる岩釣/飯田蛇笏
黒椀に岩の酒を廻し呑む/角川照子
奥穂高大雨らしや岩釣る/板谷芳浄
俳句例:21句目~
四国三郎源流近し岩小屋/石原義輝
岩籠どさと置かれて山の影/下田稔
激つ瀬の落合ふ渦や岩釣/湯目孝風
岩棲む上下を断ち地獄溪/福田蓼汀
岩酒酌みし機嫌の安曇節/小林碧郎
高西風に吹かれて飄と岩釣/飯田蛇笏
だんだんと水の高なる岩釣/高澤良一
頼みおきし岩も膳に山の宿/目黒寿子
岩売浮世の秤手にはせる/鈴鹿野風呂
木曽宿や岩を活かす筧水/鈴鹿野風呂
女神川岩栖む香に山を縫ふ/橋本鶏二
花葛の雨に立ち濡れ岩釣/水原秋桜子
炭取とならび老いゆく岩取/加藤楸邨
岩あり酒なき膳の箸を割る/本田一杉
岩焼く短かき刻を待ちにけり/辻桃子
岩ほか御好意の膳余し得ず/石川桂郎
秋つばめ岩の塩のひかるほど/中拓夫
貂を捕る岩一匹がけにして/茨木和生
青翳もたましいも打つ岩挿/山中葛子
戸隠の神の炉に焼く岩かな/宮下翠舟
俳句例:41句目~
ひとすじの煙の青さ岩捕/宇多喜代子
岩焼く塩こぼれけり石の上/堀端蔦花
五月来ぬ岩の錆も磨かれて/小林黒石礁
修行場の岩かげ碧し岩棲む/面地/豊子
二三顆のあけびさげたる岩釣/飯田蛇笏
岩棲む渓流よぎり馬柵はあり/福田蓼汀
岩釣る奥はとざせる沢の雲/水原秋櫻子
岩釣雷除け護符の背にゆれて/白川節子
岳人の朝ひとゝきの岩釣り/望月たかし
峠越すバスにつけたる岩籠/鈴鹿野風呂
川渡る蛇に岩の喰ひつけり/滝沢伊代次
徒渉する腰の高さを岩の斑/伊藤いと子
新月のさすより岩つり惜しむ/飯田蛇笏
横たはる梁やさびゆく串岩/米澤吾亦紅
滝の音岩焼く火の暮れ残り/古賀まり子
石狩の岩を炙る石積めり/長谷川かな女
秋の風岩は串にさゝれけり/大場白水郎
穂高岳真つ向うにして岩釣/石橋辰之助
竹箸に燃えうつる火や岩焼く/橋本鶏二
絶壁に身をへばりつけ岩釣/楠目橙黄子
俳句例:61句目~
自在鉤に吊る蚋いぶし岩小屋/岸原枯泉
百姓のうりに来りし岩かな/吉岡禅寺洞
谷二つ落ち合ふところ岩釣る/高木一水
岩よし白檜の箸よし温泉の宿り/田中冬二
溪流に洩れ日の揺れる岩小屋/由良つや子
岩の瀬すこし上ミ手に山女の瀬/高澤良一
岩つる岸べのよすず実をそめぬ/飯田蛇笏
奥入瀬に岩になりて住みたくて/高木晴子
岩焼く荒塩まんなかから凹む/蓬田紀枝子
岩焼く火のさかんなり瀞の闇/石橋辰之助
岩焼く爐のほとりなる夜の秋/篠田悌二郎
岩焼くうすくれなゐの炭火かな/佐川広治
岩焼き夏炉よごれてゐたりけり/水谷芳子
花もろとも擬宝珠を刻む岩汁/小林黒石礁
何もなきもてなしにとて岩焼く/福田杜仙
岩捕り二人となりし焚火かな/佐野青陽人
よく釣れる岩に峡の昏れてきし/児島倫子
岩釣歯朶の葉揺れに沈み去る/石橋辰之助
みなそこの岩に憂の日もあるや/細谷源二
長梅雨の瀬のさだめなく岩釣/石橋辰之助
俳句例:81句目~
まはりより苔這ひ上り岩小屋/大木格次郎
ひとり酔ふ岩の箸を落としたり/石川桂郎
飛騨山の霊につかれて岩つる/鈴鹿野風呂
さみだれや襦袢をしぼる岩捕り/渡辺水巴
岩焼く炉辺に引き寄せられにけり/鈴木貫一
炉けぶりに伏して岩を焼きゐたり/松藤夏山
岩の斑みどりさす夏来むかへり/千代田葛彦
囲む火に岩を獲たる夜はたのし/石橋辰之助
古るまゝに葛がくれなり岩小屋/水原秋桜子
木がくれに見えて岩のよく釣れる/野村泊月
蚊火消ゆや今宵も岩焼く火見ゆ/石橋辰之助
まれびとにまゐらす酒と瀬の岩/竹中九十九樹
とうさんが岩釣るまで帰れない/こしのゆみこ