潮の香に関連した俳句の例をまとめました。
潮の香を含む俳句例
潮の香の一すぢ走り祭来る/原裕
白絣人の匂ひも潮の香も/高橋将夫
蛤を焼く縄文の潮の香の/大屋達治
昼顔の花にほどよき潮の香/仲丸輝男
潮の香と別に海桐の花匂ふ/栗間耿史
上潮の香に降り出せり春祭/伊藤京子
潮の香へ月の扉を開きけり/荒原節子
鳶の来て潮の香落す十夜寺/中村和子
夏草に潮の香こもる翁みち/吉澤卯一
夜風ふと匂ふ潮の香星月夜/稲畑汀子
潮の香が蒸す残炎の貯炭山/皆川白陀
島唄や春の潮の香まだ淡し/矢島渚男
汐の香のまだ指先に残る春/中村苑子
潮の香にまじる馬の香飾臼/藤木倶子
海近く住み潮の香に夏近し/稲畑汀子
蒸鰈ほぐす若狭の潮の香/森戸千代子
待春のぬけ道どれも潮の香/上田日差子
昼寝子の髪に汐の香残りをり/御村善子
木の香潮の香新宮の夏衰へず/茨木和生
潮の香の濃くなつてくる蛇苺/櫻井多恵
俳句例:21句目~
潮の香の耳穴抜ける海鞘の味/秋野静子
潮の香の月と吹き入る天主堂/朝倉和江
潮の香も入江の景も春らしく/稲畑汀子
潮の香の昼より沁みて月の人/松村蒼石
潮の香の中の鰯を干す匂ひ/後藤比奈夫
潮の香のかすかに届く除夜詣/木内彰志
潮の香にひらく改札夏つばめ/奥名春江
潮の香も上げて立夏の大和川/大石悦子
流木にまだ潮の香や源義忌/大木あまり
潮の香に朽ち始めたる椿かな/岩崎宏介
海紅豆潮の香に髪重くなり/古賀まり子
上げ潮の香や大阪の夏が来る/西村和子
潮の香の名護屋城址や松の花/塚本弘満
清明祭汐の香とどく首里の城/菅原修子
満身に潮の香を受く薄暑かな/大池敏子
潮の香や雨情生家に雪加鳴く/水野澄子
潮の香を上げて立夏の大和川/大石悦子
潮の香を負ひくる蜑の除夜詣/閑田梅月
初秋の潮の香闇の波間より/相河美智子
潮の香もなくはろばろと海氷る/上村占
俳句例:41句目~
潮の香のつきぬけてくる椿径/石部秀子
蛤焼く汐の香焦がし塩焦がし/平良雅景
潮の香に七夕の媚を売りてをり/小林康治
水仙の香も潮の香も路地のもの/稲畑汀子
潮の香のぐんぐんかわく貝拾ひ/杉田久女
潮の香のとどくみ寺の仏生会/柴山つぐ子
潮の香のものを提げゆく人丸忌/木内怜子
潮の香のサービスエリア海紅豆/三村純也
潮の香の風すいすいと目貼剥ぐ/田中田吉
潮の香やたてがみ揃ふ真菰馬/小野恵美子
潮の香や小蟹をくれし彼を訪う/松本文子
夾竹桃垣に潮の香があげて来る/道部臥牛
潮の香をもて来る露地や春の宵/小杉余子
寒天場いづこの海の潮の香ぞ/沢田弦四朗
島さびし鴫鳴く声も汐の香も/向江八重子
玉垣に来て潮の香や花ゆふべ/大橋櫻坡子
果樹園に潮の香とどむ野分後/福永みち子
汐の香をしをりし忘れ扇かな/三田きえ子
泉州の潮の香沁みし涅槃絵図/山本いさ夫
海ほゝづき口にふくめば潮の香/杉田久女
俳句例:61句目~
記念館潮の香満ちて花とべら/稲畑廣太郎
雲雀鳴き潮の香こもる殉教址/中村やす子
鰤来るか夜雨の潮の香のつのり/斉藤土舟
紫陽花や潮の香去らぬ谷戸の雨/大屋達治
地芝居のはねたる潮の香なりけり/細川加賀
オリーブの花に潮の香とゞきもす/堀本婦美
潮の香と掛稲の香とこもごもに/清/准一郎
潮の香と石鹸の香とおしろい花/殿村莵絲子
汐の香の軒のひくきに岐阜提灯/軽部烏帽子
花みかん潮の香よりも濃き夜なる/平崎章子
如月の牛をうながす夜潮の香/長谷川かな女
松の花けぶるや潮の香のたかき/水原秋桜子
行きちがふ汐の香夜の香風鈴売/鳥居美智子
旅めくや潮の香負ひし夜の蛾にも/細川加賀
如月のバスに潮の香真砂女逝く/國井みどり
いかなごを干せば潮の香濃くなれり/若月瑞峰
潮の香のをりをりつよし防風摘む/大橋越央子
汐の香も秋めくや日傘たゝみけり/長谷川春草
潮の香の帰路のくらやみ花いたどり/田中英子
茅の輪結ふ夕汐の香もかすかなり/千代田葛彦
俳句例:81句目~
潮の香のほのかに茅花なびきをり/海野ふさ子
青春想起の若潮の香を胸にしまう/河野多希女
汐の香の海女がくぐれる茅の輪かな/町田しげき
潮の香のうすれて鳴りぬ海ほゝづき/松田ゆう子
潮の香の満ちきて薔薇のゆらぐなり/鷲谷七菜子
潮の香へ開く改札夏つばめ/奥名春江「潮の香」
海鞘裂いてざわざわ汐の香を湧かす/藤木倶子「火を蔵す」