浮かれに関連した俳句の例をまとめました。
浮かれを含む俳句例
大蛸や月にうかれて芋畠/洞雨
うかれ雀妻よぶ里の朝若菜/其角
うかれける人や初瀬の山桜/芭蕉
うかれたる心も少し桜餅/星野立子
皆浮かれ戯け地口の踊唄/高澤良一
うかれ出て野川尋ねん草の月/成美
うかれ女の黒髪焦せ散り花火/大魯
夢殿をうかれ出づるか蝶の影/蝶夢
以為あの世浮かれて凌霄花/寺井谷子
余花も見ん男やまめの浮かれ者/重頼
うき草のうかれありくや女七夕/才麿
酒臭やうかれ頭巾の行違ひ/黒柳召波
祭笛足の先より浮かれ出す/加藤憲曠
姐さんの花に浮かれて狐拳/筑紫磐井
白牡丹緋牡丹と瞳の漂泊ゆく/つねこ
散りうかれ桜うぐひの日和かな/蓼太
出嫌ひの祇園祭にうかれ出し/峰山清
名月やうかれ出でたる捨小舟/正岡子規
夜桜へ志功の菩薩うかれ出づ/柳下舟灯
寒声のすゑたのもしうかれにけり/賀枝
俳句例:21句目~
左義長のうかれ踊の哀れかな/松田美子
花の春うかれて屠蘇の二日醉/正岡子規
冬沼に昼月といふ浮かれ者/町田しげき
月うかれ妙義の蔦を上らうよ/正岡子規
猫うかれ雲水舌を打ちにけり/森永杉洞
琴の緒に足繋がれつうかれ猫/高井几董
浮かれ猫光悦垣をぐらつかす/野口久栄
畦道を団地へうかれゆく猫か/亀井糸游
蛇皮線にうかれ守宮が身を曝し/三谷昭
謠ひ一曲亡魂花にうかれ出よ/正岡子規
野良猫やうかれ行く程松の中/内藤丈草
鉢叩雪のふる夜をうかれけり/正岡子規
花に浮かれ来たる奴に高遠城/高澤良一
鉢叩雪のふる日はうかれけり/正岡子規
藩公の浮かれ徳利と秋惜む/後藤比奈夫
軽便の浮かれ走りや合歓の花/細川加賀
霧の道やすで大群浮かれ死す/堀口星眠
うかれ女の螢這はすや笛の穴/松瀬青々
うかれ女や言葉のはしに後の月/炭太祇
うかれ心瓶の桜に灯をともす/正岡子規
俳句例:41句目~
うかれ来て蚊屋外しけり月の友/炭太祇
うかれ猫焼山にゆき孕みけり/萩原麦草
うかれ女の小舟に歸る寒さ哉/正岡子規
僧形のうかれ腰して壬生狂言/大石悦子
満月に浮かれ出でしは山ざくら/飯田龍太
養花天うかれごころもなかりけり/岸田稚
チンドン屋吹かれ浮かれて初嵐/吉屋信子
うかれ猫入りゆく闇の動きだす/永野佐和
うかれ鴉ほかに名は無く宵の春/中島月笠
鼓張りて花にうかれん河豚の皮/中村史邦
ピアノ鳴るうかれ落葉の風に舞ふ/上村占
墓裏の旋風に巻かれうかれ猫/平井さち子
哲学の道へ消えゆくうかれ猫/津山たかを
浮かれ足団扇太鼓を打ちに打つ/高澤良一
うかれ男の夜這の道よ蕗の蔡/阿波野青畝
溜め息に綿虫浮かれだしゐたり/仙田洋子
勉学の娘に叱られてうかれ猫/十万南夫子
雪のかがやき写楽絵のまづ浮かれ/松澤昭
恋猫のうかれて塀を踏み外す/稲畑廣太郎
うぐひすにうかれて脱ぐや下ひとつ/千川
俳句例:61句目~
ミロの鳥浮かれだしたる夕立かな/仙田洋子
傷つくとわかつてゐても浮かれ猫/高木喬一
指詰めしをとこに飼はれ浮かれ猫/岡田久慧
花ぼんぼり浮かれ出でしは七福神/角川春樹
なれも恋猫に伽羅焼てうかれけり/服部嵐雪
ぶつかつて風いぶかしむうかれ猫/押本和子
手つなぎてうかれ通る娘滝しぶき/星野立子
よし原は猫もうかれておどりけり/正岡子規
内でなけば外でもなくやうかれ猫/正岡子規
讀賣が芸妓に浮かれてあさみどり/筑紫磐井
部屋中がデズニーランドうかれ猫/小堺友友
夏の月うかれ坊主の浮かれけり/久保田万太郎
夏の月うかれ坊主の浮かれけり/久保田万太郎
藪風のさざなみなせり浮かれ猫/鍵和田ゆう子
すもも祭その香に蝶も浮かれ出て/鍵和田ゆう子
コスモスのやうに浮かれてゐたき日や/高澤良一
月の夜のうかれをりしはねこじやらし/青柳志解樹
葱華輦担がれざっくざっく軍靴のおと/日下部正治
浮かれヴアイオリンそこら花ござ花ことば/阿部完市
大津絵のうかれ坊主や雲の峰/石原君代「小さき椅子」
俳句例:81句目~
浮かれ蚕も上簇近く透きにけり/加藤三七子「無言詣」
うかれきて鶏追まくる男猫哉/一茶/文化十四年丁丑
うかれ猫奇妙に焦て参りけり/一茶/文化十三年丙子
火の上を上手にとぶはうかれ猫/一茶/文化九年壬甲
地ひゞきや妻に窶るゝ浮かれ猫/『定本石橋秀野句文集』
うぐひすもうかれ鳴する茶つみ哉/一茶/文化五年戊辰