天女に関連した俳句の例をまとめました。
天女を含む俳句例
青空に天女花ひかりたれ/原石鼎
羅に天女の壁画舞ひをさむ/原裕
大空に天女花ひかりたれ/原石鼎
水煙の天女笛吹く春の風/山名愛三
花の塔四方の扉に八天女/近藤一鴻
舞ひ昇る壁画の天女秋桜/小寺良一
日の本へ天女の放つ初茜/杉本京子
秋天に橋懸あり天女消ゆ/関森勝夫
火袋の飛天女遊ぶ春の闇/沢木欣一
羅をひくや天女の天つ風/内藤鳴雪
短日の柱天女の足裏飛ぶ/古舘曹人
剥がれたる天女の爪か桜貝/乾修平
曼珠沙華五衰天女の髪飾れ/林昌華
風みどり伎藝天女の指の間/角光雄
峯桜天女が舞はむ鉄舟寺/高橋沐石
水煙の天女衣とほる花の雨/鈴木貞雄
水鳥の中にうきけり天女堂/正岡子規
河骨や天女に器官ある如し/永田耕衣
しっかりと堅き莟の天女花/福島悦子
河骨や天女を破りたる如し/永田耕衣
俳句例:21句目～
瓔珞のきらら天女の水遊び/加藤房子
畦焼の火色天女の裳に残る/細見綾子
笑み給ふ伎芸天女へ春の風/大原和之
アモーレの鐘爽かに天女像/加藤春彦
糸桜くぐりて天女遊びかな/野口香葉
紅を刷く志功の天女酔芙蓉/黒川芳穂
囀れる伎芸天女の御声かや/羽部洞然
紅枝垂天女の舞の夕明り/山崎千枝子
天井に奏づる天女や酔芙蓉/田口冬生
天井の天女の煤も払ひけり/内藤鳴雪
草花を天女に供へ浄瑠璃寺/近藤紀子
天女より人女がよけれ吾亦紅/森澄雄
蓮の實の天女五衰の夕飛ぶ/正岡子規
天女橋わたる媼の初御願/西銘順二郎
高貴なる冬空を得て天女丸/飯田蛇笏
天女降る縄梯子垂れ冬田中/鶴田育久
高髷の伎藝天女や茄子の花/宮坂静生
妻の手の天女の如し蛍追ふ/安田杜峰
実南天女のごとし墓の裏/星野麦丘人
徘徊は天女のごとし花月夜/落合水尾
俳句例:41句目～
明王も伎芸天女も萩の中/田畑美穂女
月の出を待ちゐる天女花かな/森澄雄
橋懸り来る月影の天女かな/羽部洞然
水煙の天女が舞へる春の空/山下佳子
もつれしは天女の如し秋の風/永田耕衣
旅に見る初蝶天女図絵膝に/神尾久美子
黄落や壁画の天女舞ひゐたり/矢納満江
行く春や天女のひとり後ろ向き/石嶌岳
薺咲く天女降りしといふ辺り/柿本多映
山繭や天女の息のうすみどり/近藤悦子
わが郷の春の天女の岬より/勝又寿々子
秋十年天女に遠く人の妻/鍵和田ゆう子
囀や天女の御衣朱をのこし/猿橋統流子
夏の浜天女の翳のおびただし/鳴戸奈菜
志功天女はりんごの乳房冬隣/奈良文夫
天女らの舞ひ遺したる花菖蒲/仙田洋子
天女死ヌ箒ノヨウニ靡キツツ/西川徹郎
羽衣の天女舞ひ来よ五月富士/小倉英男
脇ばさむ天女も無けれ雹の中/永田耕衣
舟着場ありし古刹に天女花/詫摩まつ子
俳句例:61句目～
降るからに天女の化粧松の琴/上島鬼貫
青空の天女となりて梅の散る/藤山晴代
梵天や天女や流るみどりの空/平井照敏
滝ざくら天女乗りそな雲一つ/深野カツイ
春筍をむくや天女になる心地/鈴木恵美子
春の夜の琵琶聞えけり天女の祠/夏目漱石
春あけぼの天女の松の匂ひけり/熊谷愛子
花冷えの伎芸天女を忘れめや/柴田白葉女
虹や水煙の天女はふえをふく/荻原井泉水
舞降りて天女も牡丹焚きにけり/滝沢幸助
げんげ田のつづき天女の遊び足/吉野義子
雪解くる漏に笛吹く天女かな/阿波野青畝
しずしずと見返り天女遠退ける/高澤良一
飛天女となれり氷河を後にして/品川鈴子
天降りたる天女の岬の畑を打つ/田中英子
踊の夜ひとりは天女連れて来し/小泉八重子
舞ひ上がるとき夏蝶の天女かな/杓谷多見夫
クリオネに負けし天女が雪降らす/榎本利孝
落花飛花溜め葺き替への天女堂/冨田みのる
御開帳の天女おろがむ冬うらら/新井佳津子
俳句例:81句目～
からすうり天女が紡ぎ咲かせしか/大橋敦子
天女いま梅雨の霧笛を身にまとふ/堀口星眠
野火のごと玉蟲厨子の天女飛ぶ/野見山朱鳥
じやがたらの咲いて天女を嫁にして/関戸靖子
雪の幻想鬼が来天女来わがねむり/加藤知世子
日昏れに通る茉莉花の道は天女の道/伊丹公子
永久にます天女や蝉声張り通し/鍵和田ゆう子
香水やお臍かあゆき天女カブサラ/長谷川かな女
そのかみの三社まつりの伊達者の繁さんの背の極彩天女/高田流子
