角切に関連した俳句の例をまとめました。
角切を含む俳句例
角切や鹿と組み合ふ奈良法師/由平
神の鹿涎流して角切らる/木田千女
祭壇は櫓の上に角切り会/鈴木青扇
角切の天に散る鵯竹矢来/古舘曹人
角切の小さき枕を草の上/小野淳子
角切の鹿追ひ詰めし土煙/中川忠治
角切られ鹿重心を失へり/大高松竹
抱き据ゑて角切る禰宜の白襷/北代汀
春日野に角切りの縄飛べりけり/林徹
角切つて月より白き鹿の尻/古館曹人
角切の休みし雨を牡鹿鳴く/中村翠湖
角切の案内貼りたる石燈籠/岡本松濱
角切の殺気を鹿の曳き走る/川端初子
角切の近し雄鹿の野性の目/山下美典
角切や牝牛のあそぶ三笠山/松瀬天浪
青垣の月に日の照る角切場/古舘曹人
勢子若し角切る鹿を横抱きに/谷中隆子
角切られ大きくなりし鹿の貌/中島畦雨
角切らる間も荒鹿の眼を瞠き/太田文萠
角切られ波音に鹿寝べきころ/菅原鬨也
俳句例:21句目~
角切会終りてゐたり竹矢来/滝沢伊代次
鹿の角切って片手に持ち運ぶ/右城暮石
鹿寄せに風の出てゐる柞かな/古舘曹人
鹿寄せの疾走親も子もあらず/八染藍子
神仏よ鹿ねぢ伏せて角切らす/百合山羽公
角切りし鹿に大木戸開きにけり/吉田七堂
角切りの幔幕勢子ら持つて張る/池田秀水
角切会終へて暮れけり神の島/冨田みのる
角切の勢子の法被のおろし立て/武藤舟村
角切らる鹿の真白き眼を見たり/永橋並木
鹿と勢子息合ひしとき角切らる/藤本朝海
角切られたる鹿今宵如何に寝る/津田清子
青野に吹く鹿寄せ喇叭貸し給え/西東三鬼
恋すてふ角切られけり奈良の鹿/小林一茶
落つ角の光りて白しあはれとも/原コウ子
角切られ鹿は虚空を踏みにけり/山田弘子
鹿寄せの笛がきこえて寝鹿立つ/鈴木芳如
鹿寄せの鹿帰りゆく鳴きながら/高浜虚子
角切や鹿に追はるる勢子もあり/津川万千代
角切りし鹿のたかぶりをさまらず/高橋蛍籠
俳句例:41句目~
角切りの切り口にあるひと世かな/村井一声
鹿寄せの笛まだ鳴らず秋の暮/長谷川かな女
角切りの勢子の四五人引きずられ/池谷/陶
鹿寄せの喇叭みだりに吹かぬなり/後藤比奈夫