朝風に関連した俳句の例をまとめました。
朝風を含む俳句例
七月の机漆黒朝の風/桂信子
朝風に雀流るる別れ霜/絵馬寿
朝風の朝ある彼岸桜かな/可盈
朝風や撫子ふせる雨の後/吟江
朝風や螢草咲く蘆の中/泉鏡花
朝風や水霜すべる神の杉/露伴
朝風や方一丁の芋畠/徳永夏川女
北越の朝風つよし夏衣/山本洋子
大根の花朝風に泡立ちぬ/大串章
二輪草開き朝の風少し/安藤重子
朝風に初鴬の声稚し/渡辺七三郎
矢車に朝風強き幟かな/内藤鳴雪
朝風の零す旋律露しぐれ/湯川雅
朝風や山をはなるゝ鷹一つ/博子
湯煙か万座の霧か朝の風/磯野充伯
朝の風集めて韮の花白し/経沢千春
朝の風絹糸草に波つくる/緒方政子
朝風に衣桁すべりぬ夏衣/青木月斗
朝風や鳥飛び盡す秋の雲/正岡子規
朝風や尾を越す鴨を吹き下し/花朗
俳句例:21句目~
朝風は敷藁匂ふざぼん園/米谷静二
朝風に蘇聯や近し蓼の花/小林康治
朝風や藪の中なる今年竹/日野草城
朝風の吹き抜けてゆく紅芙蓉/杉本彬
朝風の音にも五月晴のあり/細井路子
三光鳥鳴くよ梢越す朝風に/伊藤白草
朝風は平らに吹いて額の花/高澤良一
朝風の虞美人草に荒かりし/伊東奈美
朝風や花柚こぼるゝ巫が袖/久保愛石
朝風や菜の花浮かす椀の中/石塚友二
日曜の朝日朝風下萌ゆる/成瀬正とし
朝風に夏花入るるや浮御堂/松瀬青々
朝風に夕風に澄む種井かな/福田蓼汀
白芥子に麦の朝風強すぎぬ/高田蝶衣
秋立てり朝風入るる厨なか/磯野貞子
朝風に毛を吹かれ居る毛むし哉/蕪村
朝風に流離流離と花散るも/高澤良一
長良川朝風乙鳥吹き上げて/高澤良一
窓秋忌となる元朝の風の音/寺井谷子
朝風にまだ素面なる酔芙蓉/富田道子
俳句例:41句目~
朝風に金箔飛ばす熊手かな/野村喜舟
朝風の墓地に私と白芙蓉/阿部みどり女
下尽見ゆる座敷や朝の風薫る/正岡子規
青麦を来る朝風のはやさ見ゆ/廣瀬直人
朝風や菊のうなづく幾久の露/上島鬼貫
蚊帳の子に吹く朝風や魂祭/大谷碧雲居
朝風や声あたらしき法師蝉/千代田葛彦
桔梗を朝風夕風濃くしたる/木附沢麦青
雑居文化の街に朝風燕の子/小松崎爽青
朝風に皆揺れてゐる菫かな/大谷碧雲居
耕馬明眸岬の朝風縞なして/大峯あきら
朝風の白きを追ふて陸稲刈る/臼田亜浪
花茄子朝風にいきり駈ける犬/水落露石
朝の風少し通して雛の部屋/片山由美子
矢車や谷戸はみどりの朝風に/西島麦南
朝風や赤み帯びたる山芒/阿部みどり女
朝風の立ちしと思ふ草雲雀/阿部ひろし
朝風のくづるゝ待ちて打瀬舟/小島昌勝
朝風のかやに帆舟の遅速見る/大谷句佛
潮満てり南風となりゆく朝の風/及川貞
俳句例:61句目~
秋彼岸風鐸揺らす朝の風/一之木すみ子
朝風やぱくりぱくりと蓮開く/正岡子規
若葉からまつすぐに来る朝の風/桂信子
林外の朝風に解夏のつえを曳く/高田蝶衣
朝風や神のつくりし蜻蛉の目/原田ゆふべ
麦の穂の高さに朝の風はあり/長谷川素逝
朝風の棗はひかるばかりなり/川島彷徨子
吹殻を踏みにじる菊の朝の風/容内田易川
花芙蓉とは朝風をほしいまま/大峯あきら
巣をつくる椋鳥とや朝風に通ひ/佐野良太
芙蓉咲きいでし朝風わたりけり/龍奈賀子
朝風に弓返りしたる案山子かな/黒柳召波
石南花にやさしかりけり朝の風/駒走松恵
朝風に薔薇惜しみなく香を放つ/木下夕爾
朝風もあをき安曇野ポプラ立つ/大島民郎
筒鳥や旅の衣を透く朝の風/阿部みどり女
朝風や解除会の散華われに来し/宮倭文子
蓮を吹く朝風やがて野をわたる/水原秋桜子
からす瓜咲いて朝風すこしあり/藤田あけ烏
牧は朝風セーター白き牧夫出て/岡本差知子
俳句例:81句目~
朝風に小瑠璃下り来し水場あり/望月たかし
不二こりや朝風寒き濡褌/嘯山「葎亭句集」
朝風の辛夷のひかり吹きめくれ/長谷川素逝
朝風や蚊帳のまはりを廻る猫/長谷川かな女
夢を守る朝風のもう五月かな/飛鳥田れい無公
朝風の女子レガッタやらいてふ忌/大野よし子
げんげの朝風の中のががんぼよ/冬の土宮林菫哉
田のうへの靄きれてゆく朝の風つめたし/喜谷六花
天の川白き夜去りて朝風の中なる萩にくれなゐ走る/宮柊二