テレビに関連した俳句の例をまとめました。
テレビを含む俳句例
蚯蚓鳴きテレビ女の顔写す/皆吉司
テレビ局裏口を出る猿使ひ/本宮鼎三
薄型のテレビ明るし冷奴/藤田喜久子
白やテレビに相撲映りをり/岸本尚毅
冬天に錐立つ嶺のテレビ塔/油谷和子
日盛やテレビも牛は漆黒に/石田波郷
テレビ塔二つも近き冬木立/瀧井孝作
鳥帰るテレビに故人映りつつ/岸本尚毅
雪国にテレビ忘るる四日まり/石川桂郎
蜑のテレビ崩れやすしよ流氷来/岸田稚
たたみの上にテレビ水音夜の秋/草田男
夏場所のテレビを囲み湯治客/新島艶女
古里のテレビに乗りし鱧の味/岩田麗日
山火事の匂ひの雲やテレビ塔/茨木和生
テレビより秒読みの声秋の風/中村明子
ナイターのテレビに睦む一家族/塙きく
ナイターのテレビ淡しや稚内/大島民郎
末枯や配線多彩な捨てテレビ/奈良文夫
テレビ塔天に一針冬きたる/百合山羽公
初テレビどどといきなり笑ひ声/嶋田麻紀
俳句例:21句目~
夜のテレビ黙つて蜜柑渡さるる/福田紀伊
大旱のアラブは遠しテレビ消す/大島民郎
島人や盆のテレビに顎つき出し/篠崎圭介
春場所のテレビ畑より垣間見つ/岡田久信
テレビあをし枯崖の暗玻璃一重/右城暮石
春場所テレビ河川映して老跳ね/谷/佳紀
鶴来たるテレビも一目朝急ぐ/百合山羽公
テレビ塔紅燈帯びて去年今年/百合山羽公
泣初の子が笑ひゐるテレビかな/原田耕二
テレビよりわけのわからぬ初笑ひ/桂信子
灯取虫ぶつかる深夜テレビかな/加福雷太
特にテレビ迷彩服に上下なし/相原左義長
親娘ともテレビに向きて春炬燵/今泉貞鳳
風死して日本中のテレビ蒼し/正木ゆう子
テレビ涼し蛸釣のこつなど話し/藤田湘子
テレビ点けまず食積の蓋を取る/角川春樹
テレビ見ぬ一と日を過す終戦日/須山重信
八月尽蟹を踊らすテレビ見て/百合山羽公
公園テレビを仰ぐ頭沖に探照燈/古沢太穂
おもしろくなし敬老の日のテレビ/右城暮石
俳句例:41句目~
二局しか映らぬテレビ梅雨に入る/石川桂郎
明日は来るテレビの取材髪洗ふ/今井風狂子
春の夜の更けてテレビに亡き役者/今泉貞鳳
昼下がりのテレビに赫し飢餓の国/岩間民子
牡蠣食うやテレビの像に線走る/田川飛旅子
夏休テレビひねればドキンちゃん/高澤良一
初場所のテレビ絵ばかり看とる夜/高井北杜
海のようなテレビ消せない花粉症/深町一夫
テレビ了りゐたる擦音青葉木菟/中戸川朝人
檻のテレビ青春の日の遊び場写す/仲上隆夫
夜のテレビ見て笑う遍路河口近く/福富健男
テレビ見て妻の泣きをる炬燵かな/山内一甫
梅雨に入るなか~色の出ぬテレビ/沢木欣一
秋の蛾や宵のテレビに嫌はれて/百合山羽公
テレビ消さう消さうと思ふ籐寝椅子/八坂洵
雨の花屋の奥のテレビに毛沢東/四ツ谷/龍
テレビ塔聳ゆるのみの枯野かな/左右木圭子
テレビに映る無人飛行機父なき冬/寺山修司
元旦の構図光りはテレビ塔にある/吉岡禅寺洞
白鳥おほかた眠り新潟テレビも了ふ/鈴木栄子
俳句例:61句目~
氷菓溶け気味テレビに緊迫する地球/花田春兆
初場所やテレビ桟敷を買ひ切りに/梁川たけし
生身魂テレビをテレヴィと書く世代/高澤良一
ががんぼはテレビの川にとまりけり/今泉貞鳳
ぐつたりと百合ありテレビより歓声/奥坂まや
さよならはそっと手を挙げテレビ電話/伊藤梢
なんでこれしきのテレビと初泣きす/石川桂郎
テレビ見る子を湯ざめると叱りけり/吉田守一
テレビには海女華やかよ天草とり/百合山羽公
テレビ切るその後長夜のあるばかり/高澤良一
八月六日のテレビのリモコン送信機/池田澄子
春の宵テレビばつかり見なさんな/稲畑廣太郎
テレビの中のあまたの足音去年今年/平井さち子
テレビだけが豪華炉塞ぎし夜のこと/猿橋統流子
テレビ画面東風に応へて縞となる/長谷川かな女
夜のテレビに生ける久女や露寒し/長谷川かな女
テレビ/シヨー果ててふわふわ年変る/守田椰子夫
テレビ料理の色なまなまと時雨れつつ/鍵和田ゆう子
テレビ塔のない空雲がふぬけてながれる/吉岡禅寺洞
二十のテレビにスタートダッシユの黒人ばかり/金子兜太