ワインに関連した俳句の例をまとめました。
ワインを含む俳句例
福寿草遺影と交す赤ワイン/泉京子
微酔してワイン工場桃の花/中屋文子
ワイン飲む上甲板に白夜光/宇野直治
郭公や深き眠りのワイン蔵/根本花子
黴大事大事に地下のワイン樽/藤田輝枝
夕雲のワイン色なり秋燕忌/野本ナヲ子
冬ぬくし金婚の夜の赤ワイン/加藤三陽
月山の深き茂りやワイン蔵/北見さとる
みごとな梅月夜妻には赤ワイン/益田清
占忌の午餐に加ふ赤ワイン/近藤朱月亭
星冴ゆる窓やワインの杯重ね/吉村容子
ワイン酌む白より赤へ夏料理/水見寿男
喉越しに残るワインや星朧/安藤マチ子
赤ワイン産地の葡萄まだ枯木/高木晴子
貴婦人の絵のワインあり春灯/岩崎照子
ワインの栓音たてて抜き春隣/館岡沙緻
花疲なるやワインの酔なるや/岩崎照子
箸置のワインのコルク星流れ/江頭信子
大酒樽巡りて味はふ新ワイン/関森勝夫
夏痩詩人ワインの栓も抜き兼ねし/安住敦
俳句例:21句目~
年越に酌まんと置きし赤ワイン/宮島糸子
忘年やワインにゆるる海のいろ/山崎悦子
怒りしづかに新ワイン対流す/中戸川朝人
無花果をワインで煮つめ面影よ/大山夏子
花冷えや古き樽積むワイン蔵/山田紀美子
をみな等の奢りのワイン年忘/坪井のぶ子
コルク屑ワインに混じる小正月/能村研三
ソムリエの薦めのワイン西東忌/三宅/隆
白木蓮ワイングラスを空に向け/今泉貞鳳
青葉木菟夜を密々とワインの香/荻原華専
ワイングラスに残る色あり都鳥/田原重子
ワインゼリー青い地球に乾杯す/丸山嵐人
ワインロゼほのかに残り姫始/斉藤すず子
ワイン樽ねかせて秋を煤けし灯/伊藤京子
冬薔薇傾けて置くワインの壜/伊藤いと子
初凪やワイングラスにある夕日/小高沙羅
匂ひ立つ若菜のパスタ赤ワイン/白勢一間
啓蟄やワインの栓の固きこと/植田みつ女
乾杯のワイングラスに暖炉の炎/影島智子
回し飲みワイン楽しむ白夜かな/岩崎照子
俳句例:41句目~
地下蔵にワインの眠る良夜かな/後藤浩子
地底なる黴のにほひのワイン倉/森田幸夫
うす茜ワインゼリーは溶くるがに/日野草城
夕立来る暗さがワイングラスまで/山田弘子
雪窓にはりつき我等ワイン酌む/深見けん二
こほろぎや小さき灯点すワイン倉/白井新一
食積にほつほつ飽きしワイン飲む/田中由子
ワイングラス合はせよ卓に吾亦紅/白岩三郎
ビールなら頂くワイン駄目だけど/山田弘子
モダンジヤズ聴く春宵の赤ワイン/西本公明
胸中をワイン流るる帰燕かな/鍵和田ゆう子
低音は枯木高音は雲ワイン澄む/河野多希女
手に軽き弥生のワイングラスかな/戸板康二
新涼や麺麭もワインも籠にねかせ/鈴木栄子
ワイン瓶抱きて扉を出づ聖夜弥撒/澤田緑生
赤ワイン栓が抜かれておぼろ月/鈴木佐多子
朧夜やにごりワインのコルク抜く/吉原文音
おぼろ夜のワインの栓に手こずりぬ/大石悦子
かりがねや古城にねむるワイン樽/木下ローズ
僧院ホテルの点るワインは祈祷の灯/伊丹公子
俳句例:61句目~
ワインゼリー二人に言葉など要らず/横原律子
ワインなめらか胸にりんかくだけの雛/渋谷道
客待ちてワインゼリーを冷やし置く/有賀玲子
ワイングラスが夕日の焦点だった旅/浦川一郎
ワインの栓すぽんと抜けて寒明くる/大玉文子
ワイン新酒ひとはきらきら才こぼす/紅露ゆき子
ワインこぼれ耳濡らされたコリーの昼/伊丹公子
ワイン飲むサマードレスの腕白し/小谷ひろゆき
ひばりよひばりワイングラスを毀してよ/豊口陽子
れんげワインどくだみワイン秋深まりぬ/栗林千津
ワイングラスに映り収まり五月の街/鍵和田ゆう子
酔ふことのありたるワインシヤーベツト/後藤夜半
鳥に尾があるワインこぼしてしまつたわ/松本恭子
遠来の友にワインと冷奴/中村恵美子「未来図合同句集」
銘醸年記せしワイン金文字の幾本かはわれより長命ならむ/高橋睦郎
東京湾日昏るるとみて酌むワイン一つの灯り香み干しきれぬ/五喜田正巳
天上に富積めといふパン/ワイン/實のオリーヴもそに含ましめ/高橋睦郎
赤ワイン舌よりわれをふくらます/子はなぜひとりか、なあタラノメよ/坂井修一