馬の目に関連した俳句の例をまとめました。
馬の目を含む俳句例
花の雨馬の瞳の中に降る/野沢節子
馬の瞳に蒼空映る冬木風/太田鴻村
馬の瞳も零下に碧む峠口/飯田龍太
馬小屋に馬目ざめゐて初茜/有働亨
御神馬の瞳動かず秋の暮/仙田洋子
馬の眼に旧正月の泪かな/佐川広治
馬の瞳に夕日が届く籾殻火/栗林千津
馬の眼に遠き馬ゐて雪降れり/中条明
馬の眸に前髪かかる朝曇/正木ゆう子
砂丘馬のうるみ眼や辣韮畑/畠中久枝
凩や眼をつむりたる馬の上/藤野古白
初雪は馬の瞳に降るがよし/栗林千津
干鮭の目へかがんだる竈馬かな/許六
遠山火闇の馬の瞳しづかなり/中拓夫
遠山火闇に馬の瞳しづかなり/中拓夫
水馬目高の目玉ふまへたり/巌谷小波
貸馬の瞳の涼しさのかなしさよ/風生
閉づるなき眼冷まじ兵馬俑/山田弘子
馬の瞳の奥で乾いてゆく木立/大西泰世
ふんばつて雨を眼尻に田掻馬/近藤一鴻
俳句例:21句目~
馬の眼にうつりて赤き椿かな/吉田冬葉
瞬けば老いの眼なりし飾り馬/花田春兆
繋がれし馬の眼細し合歓の花/伊藤松宇
負馬の眼のまじ~と人を視る/飯田蛇笏
初ひばり瞳を澄ましゐる厩の馬/下田稔
馬の目を念入りに拭き卒業す/折井眞琴
夜祭や神馬優しき眼を向けて/都筑智子
日がさして馬の目も露溜めにけり/静塔
末枯の馬の眼に逢ふ草千里/加藤安希子
大根馬菩薩面して眼になみだ/川端茅舎
涙ぐむ馬の眸にあふ竹煮草/内山せつ子
飾り馬ひと懐しき眼を持てり/渡辺亀齢
馬刀掘りのひたと金壺眼かな/西田青沙
雪片の眼より離れず埴輪馬/河野多希女
冷し馬瞳より涼しさあふれくる/朝倉和江
橇逸る馬の眼に灯の飛び入れば/栗生純夫
神馬の瞳冬撒かれゆく石だたみ/北野民夫
秋の暮馬の目猫の目皆恋ひし/尾形不二子
行く秋や遠き目をして兵馬俑/樋口比佐夫
誘蛾燈に目を剥いて馬通りけり/萩原麦草
俳句例:41句目~
馬の瞳のあをさ愛しも葛の花/小松崎爽青
近よれば貸馬露の眼をひらき/柴田白葉女
雛の日や巷に荷馬の無垢なる目/野澤節子
雪深きくらがり馬の目がふたつ/本宮哲郎
馬の眼のどこかが赤し合歓の花/横山白虹
馬の眼のどこかゞ赤し合歓の花/横山白虹
馬の瞳に人の世枯れてゆきにけり/大串章
馬の瞳のひつそりとある秋の風/石田郷子
馬の瞳の哀れ照葉の紅ゐに/長谷川かな女
兵馬俑眼に追ふ真夏の夢に生き/河野南畦
負馬の眼のまじまじと人を視る/飯田蛇笏
冷し馬暮色のなかに眼をひらく/松澤鍬江
馬が目をひらいてゐたり雪夜にて/加藤楸邨
馬が眼をひらいてゐたり雪夜にて/加藤楸邨
馬と生れて競ふとき眼するどしや/細谷源二
合掌部落に秋が来てゐる馬の瞳よ/中村明子
冷し馬の目がほのぼのと人を見る/加藤楸邨
一直線に馳け橇馬の眼の青むか/山本よ志朗
木曽馬の黒瞳みひらく二月かな/大峯あきら
春塵に眼をしばたたき繋ぎ馬/阿部みどり女
俳句例:61句目~
馬の瞳にうつる小さき町のまつり/細谷源二
馬の瞳に土筆ポキポキ摘まるるよ/加藤憲曠
馬の瞳に継ぎ目があるとすれば夏/栗林千津
冷し馬の眼に遥かなる帆がすすむ/内藤吐天
活き馬の目を抜く江戸の師走かな/籾山柑子
馬の瞳の中の遠火事を消しに行く/西川徹郎
神馬灰色秋蝿に眼をしばたたき/長谷川朝風
馬の瞳も山国の澄み蕎麦刈れる/岡野風痕子
澄んだ眼で菫を喰べてしまふ馬/田川飛旅子
馭者の目が馬にきびしい秋の暮/宇多喜代子
黒瞳がちに御崎の馬は肥えにけり/山口麻子
二度呼べばかなしき目をす馬の子は/加藤楸邨
馬の眼のどこ見るとなく夕立かな/水谷千津子
大海馬眼をしょぼつかせゐたりけり/高澤良一
ながれ来るものに目つむり冷し馬/四ノ宮白帆
かげろふにほそる神馬の眼つきかな/幸田露伴
埃から埠頭吸い馬の眼馬の眼を怒る/赤尾兜子
馬が来るみなうるみたる眼をはつて/細谷源二
シャガールの馬の眸夜明けの青はまだ/岩間民子
はるばるみちのく耕馬の眼には路傍のわれ/磯貝碧蹄館
俳句例:81句目~
馬の屁に目覚て見れば飛ほたる/一茶/寛政四年壬子