札所に関連した俳句の例をまとめました。
札所を含む俳句例
三十番札所の春の氷かな/稚
新繭の匂ふ秩父の札所径/鈴木冽
麦秋やどこも能筆札所妻/木村勇
松籟の高き札所へ初詣/上崎暮潮
時鳥御姿貰ふ札所かな/鈴木孝信
水鳥や西国札所竹生嶋/尾崎迷堂
木苺の崖の下径札所みち/石塚友二
坂東の札所にきたる蜆賣/黒田杏子
夕送る札所の梅の白々と/山田弘子
札所寺囲み阿讃の山笑ふ/馬場隆子
ゆるみなき茸縄つづく札所径/原裕
札所寺大鉢に生ふ布袋草/高澤良一
札所寺百日紅に汗退けり/高澤良一
突兀を負ふて札所や今朝の秋/爽波
筍の荷がゆく朝の札所前/飯田龍太
雪月の雪の底なる札所道/深谷雄大
頬赤や峠越えれば札所寺/岩間民子
大雨が洗ふ札所の樟若葉/新田祐久
田水沸く札所の村の大鴉/大峯あきら
爪先まで憩う緑陰札所かな/宮田頼行
俳句例:21句目~
どの家も軒に柿干し札所道/浅見さよ
水雪の降る日暮まで札所道/吉田紫乃
一番札所訪ふ昂りに冬の汗/奈良文夫
楊梅熟る青鬱然と札所寺/松崎鉄之介
桑芽ぐむ農道はまた札所道/桑原晴子
札所への枯草道は近かりし/椎野房子
松蝉や畦走らせて札所みち/河野南畦
打止の山の札所の残花かな/上崎暮潮
摂待の札所や札の打ち納め/子規句集
札所出て里道一里春疾風/吉木フミエ
黄落やいま黄金の札所みち/吉野喜雨
札所より札所へ流れ芹の水/今川青風
札所寺二番で降られ夏の雨/高澤良一
札所へと道案内す赤とんぼ/山本博子
藍の花咲く番外の札所かな/豊川湘風
袋掛さなかの丘に札所あり/美馬風史
酢橘採る鋏のひびく札所道/丸川越司
恵方とて一番札所詣でけり/松村節子
青田風吹き込む三番札所寺/高澤良一
順礼の札所出て行く日永哉/正岡子規
俳句例:41句目~
団扇風いただき一番札所寺/高澤良一
鶏糞の筵干さるる札所寺/小島千架子
笈摺に札所の朱印薄紅葉/金山貴志子
札所寺梅干寺となりにけり/東洋城千句
栴檀の実に巡りたる札所かな/浜/秋邨
秋蜂の五番札所に死にに来し/名和未知
お札所へ柿の秋なる村を過ぎ/高浜年尾
どの木なる夏うぐひすぞ札所寺/辻桃子
ポスターは都をどりや札所寺/大島民郎
修正会の札所甘酒滾りをり/池内けい吾
老鴬や次の札所へ峠越え/佐々木ツタ子
葉牡丹の長けて塔なす島札所/池上樵人
囀や次の札所へ尾根づたひ/柳沢仙渡子
地図ひろげ次の札所へ夏遍路/吉田敬行
襟寒し紋日札所の飴なめつつ/野竹雨城
夏に入る納め札所の百の杖/太田シズエ
鐘一つ撞いて札所の土佐水木/宮川貴子
子遍路に山彦のゐる札所かな/山崎一角
座禅草ぬかるみ続く札所径/岡村美恵子
数珠玉や鶏がかほ出す札所寺/関戸靖子
俳句例:61句目~
朝雲雀札所の方に上るらし/大峯あきら
札所ひま桜蘂ふるばかりなり/宮下翠舟
鷹の巣の崖を背らに一札所/荒川あつし
札所より踊の寺として知られ/山下美典
春ふかし樹々の花噴く札所かな/橋本榮治
打ち止めの秩父札所や夕河鹿/堀井より子
札所抱く端山は雪の消えゐたり/宮津昭彦
札所道ほたるぶくろを刈り残す/宮田富昭
春蝉や次ぎの札所は又のこと/深川正一郎
団扇など置きてもてなす札所寺/高澤良一
札所出る遍路は長き列となり/森本キヌ子
二千年二月二十日の札所かな/矢内とき子
ゐのこづち妻につきゆく札所径/中村宏汀
こぼれ米ひろひ札所の羽抜鶏/浅野久美子
お札所の楠の落葉の終りたる/近石ひろ子
札所にも咲けば似合ひて冬薔薇/稲畑汀子
秩父札所二番あたりより薄暑/三田きえ子
胡麻は実に眉吹かれゆく札所道/小島千架子
胡麻干して札所寺にはあらざりし/富安風生
囀や札所のこんにゃくうすみどり/鷲見緑郎
俳句例:81句目~
歩かねば札所につかぬきりぎりす/堀越胡流
やあ紅葉八番札所のぽっくりさん/高澤良一
札所へのしるべも雪におぼれけり/小島千架子
妻つれて日ぐれに打てる札所かな/深川正一郎
着ぶくれて来ても札所のよく冷ゆる/稲畑汀子