名前に関連した俳句の例をまとめました。
名前を含む俳句例
針供養母の名前の鯨尺/小西潔美
春の猫名前は夏目金之助/坪内稔典
闇青く複写の名前増殖す/滝口千恵
大瓢小瓢名前欲しさうに/山田弘子
胎の子の名前あれこれ苺食ぶ/西宮舞
お歳暮の米の名前の佐賀錦/千川稚泉
溽暑わが蝶の名前は森蘭丸/攝津幸彦
黒板にまづ名前かく新教師/高野清美
野の涯に名前忘れし美容院/筑紫磐井
ひらがなの名前の大き初便/麻植裕子
三越で吾子の名前で姪へ雛/京極杞陽
見知り顔名前浮かばず花曇り/伊藤徹
子の名前薄れし硯洗ひけり/下間ノリ
落書の役者の名前田水沸く/土屋秀穂
平凡な名前も良かれ雛飾る/松原初枝
菜の花や猫の名前は三太郎/小森清次
権助が名前書きけり渋団扇/正岡子規
露けしや特攻戦記にわが名前/小出秋光
面妖な形と名前ちよろぎかな/飯田和子
ふる里の山の名前の梨を剥く/佐藤梗子
俳句例:21句目~
指さして涼しく星の名前呼ぶ/荒井良子
どの猫も名前を持てり居待月/三輪初子
永き日の木橋の名前うすれけり/穴井太
田作を噛みて名前の忘れ初め/榎本好宏
石蕗の花戸主の名前を筆太に/石川文子
私にも二つの名前ライラック/櫂未知子
秋草に名前を尋ねゐるひとよ/矢島渚男
答案に名前忘るるつばくらめ/益永孝元
遊んでから名前を聞きぬ額の花/今井聖
水番と風の名前を集めをり/水野真由美
寒明けぬ鳥の名前のひとつずつ/永末恵子
文化の日まだ名前なき赤子抱く/門伝史会
不動滝名前負けして落ちにけり/高澤良一
ゐるはずの人の名前に秋が来る/鴇田智哉
こゑにして花の名前の涼しさよ/依光陽子
似て橋の名前の違ふゆりかもめ/猪俣千代子
笛の音のやうな名前のピサロの絵/高澤良一
掌をあてて言ふ木の名前冬はじめ/石田郷子
影があり名前がありてあたたかし/山西雅子
賀状色刷り家族の名前また殖えて/小沢多留男
俳句例:41句目~
蒲の穂絮きれいな名前呼んでいる/こしのゆみこ
くちびるに遊ばせてみる春の夜の知れるかぎりの星座の名前/目黒哲朗
おまつりは終わったのかな/名前さえ思い出せないひとの耳たぶ/東直子