大人に関連した俳句の例をまとめました。
大人を含む俳句例
町内の踊自慢の大人の部/高澤良一
霜除す芭蕉大人童子かな/鈴木花蓑
篠懸の大人然として晩夏/高澤良一
秋雨や大人子供の話し聲/正岡子規
夏垣に昔大人の少年寄る/攝津幸彦
大人の仕種で歩む枯蟷螂/安藤道子
水鳥やけふは大人を休みたし/辻紀子
梨の木に用あり飛弾の大人/森田緑郎
空瓶透き大人ばかりの家の冬/桂信子
大人より子供の淋し竹の秋/田中裕明
朧月大人となりて久しかり/池田澄子
捩花や少女の会釈大人びて/関口湖舟
ゆらぐ鈴大人ばかりの椿山/永末恵子
県居の大人も知らじな金槐忌/菅裸馬
大人びて昨日の園児入学す/石塚友二
入学の子の顔頓に大人びし/高浜虚子
考えると女で大人去年今年/池田澄子
豆ごはん大人の人は大盛に/如月真菜
寒晒少し大人の気分かな/三富みきえ
悲しさやをがらの箸も大人なみ/惟然
俳句例:21句目~
夏来ると少年の髭大人めく/宮坂静生
外套の大人と歩む子供かな/千葉皓史
大人逝きて桜吹雪の白々し/小出秋光
大人から坐り始める桜かな/柿本多映
春愁大人も抱きて縫ひぐるみ/毛塚静枝
親のない子は大人しき火鉢哉/寺田寅彦
ちゑの輪は大人の遊び置炬燵/一丸成美
子の神輿大人が揉んで天高し/細川加賀
七五三妻も大人となりにけり/景山筍吉
白靴や少女大人びやすきこと/藤松遊子
子等の卓大人の卓や大西瓜/秋月すが子
大人びて昨日の園児の入学す/石塚友二
大人とうすうす気つく秋の暮/加藤郁乎
大人びし声をかけゆく地蔵盆/脇坂啓子
蜜柑むき大人の話聞いてゐる/西村和子
塞翁が馬とや大人の日向ぼこ/藤村瑞子
遠花火童顔大人はもう寝たか/山口草堂
電車待つ大人にまじる入学子/金子佳子
双六や大人ばかりが残りたる/内田美紗
風光る大人のための九十九里/櫂未知子
俳句例:41句目~
大人びし面輪に夜のひひなかな/福神規子
春暁や子の大人びのうしろゆく/佐野良太
水着きる吾子の背中の大人びし/田島富子
浴衣の娘造語明るく大人びて/近藤喜久美
満月や大人になってもついてくる/辻征夫
紙芝居片蔭の大人のはうが笑ふ/原田種茅
あひどしに野風呂大人ホ句の春/河野静雲
育たなくなれば大人ぞ春のくれ/池田澄子
草の花大人も小さくなればいい/小西昭夫
落第子きつと大人の貌となる/新井三七二
蕗味噌を食べし時より大人なり/籏本春美
すすり泣く大人見つめし終戦日/斉藤圭子
綿菓子を大人も持つて花の山/石井とし夫
みそっかす大人に伍して炭坑節/高澤良一
初夢にさつぱりわやと青畝大人/後藤綾子
陶の大人は足早すみれ咲き群れて/及川貞
口癖は「大人になれば」冬の草/高野万里
セルを著て父なき故に大人びし/関口真沙
頬を並べて鮎を並べて飛騨大人/阿部完市
年酒酌む大人のうしろにて遊ぶ/野村慧二
俳句例:61句目~
黄昏や戸の外の羽子の大人がち/富田木歩
大人だって大きくなりたい春大地/星野早苗
船に海月大人になりたくない少年/伊丹公子
色づきし柿や大人の手をのべて/百合山羽公
大人の墓葛刈られある踏みて訪ふ/皆吉爽雨
華僑総工会長陳大人のパナマ帽/成瀬櫻桃子
架橋総工会長陳大人のパナマ帽/成瀬桜桃子
畑打や真淵の大人が出て行きやる/中川四明
バッハ聴く大人に目白の飛びこみし/上村占
筏鳴を聞くに大人の真似をせり/猪俣千代子
髪上げし子の大人びる浴衣かな/松原みさゑ
麦笛の鳴りたる日より大人びて/高橋たか子
うぐひすは大人の貌をしてゐたり/川崎展宏
吾が子はや大人びて来し夜学かな/高橋淡路女
公孫樹黄に石に踞したる大人なりき/佐藤春夫
すこし大人になつて香水はミツコ/藤本喜代子
大人になつて平目の目方はかります/阿部完市
瓜番の少し大人になりにけり/星野高士「谷戸」
われら大人葉をつみ葉をつみえいえい思い/阿部完市
大人も子もキャンデーは尊敬せずに滴り食ぶ/橋本夢道
俳句例:81句目~
かげろふの甲斐はなつかし発句の大人/『定本石橋秀野句文集』