百花に関連した俳句の例をまとめました。
百花を含む俳句例
朝顔の百花登校誘ひあふ/長田等
茴香の夕月青し百花園/川端茅舎
芍薬の百花の中や我一人/上村占
雪吊や椿百花をこぼさずに/森澄雄
濁流にちらと白浪百花春/福田蓼汀
魁の一花百花の気概もて/高澤良一
百花園冬日衰へゆきにけり/上野泰
百花園大入日して梅の上/鈴木花蓑
けふよりの冷し甘酒百花園/黒田杏子
合掌部落百花を抽きて一辛夷/岸田稚
根分せるもの何々ぞ百花園/高浜虚子
水明りして睡蓮の百花かな/森山素石
秋もまだなか~暑き百花園/鈴木花蓑
観月や高張立てて百花園/高橋淡路女
雪晴に明るき百花屏風かな/森田愛子
四月逝く百花騒然たる中に/相馬遷子
鰊来ず百花一時の春も尽き/福田蓼汀
餅花の百花開けば百の鬱/小泉八重子
一身を励ます曼珠沙華百花/大石悦子
山形は百花のさかり四月尽/河野静雲
俳句例:21句目~
百花咲き春の月夜の北信濃/岡田日郎
友禅の百花磨ぎゆく雪解水/下山芳子
百花園の塀のうちそと残る虫/岸田稚
加賀友禅えがく百花や冬灯/楠/久子
百花園移り変りて梅はなし/鈴木花蓑
百花終るに葱坊子急ぎけり/松村蒼石
短夜の花圃の闇あり百花園/原田青児
めつた打ち百花の柄の干し布団/檜紀代
ゑんどうの百花鎮めて朝日出づ/大串章
誕生日牡丹百花にまみえけり/重松沙代
玉虫の落ちてゐたりし百花園/鈴木花蓑
冬ざれや鶲あそべる百花園/水原秋桜子
春雨の雪となりたる百花園/小林美成子
人日や江戸をとどむる百花園/針谷圭一
百花ゆれ千花をさそふ牡丹園/岡田透子
連翹の百花ゆらして一枝切る/入谷綾子
秋晴や月が出てゐる百花園/佐野青陽人
待春の名札ばかりに百花園/中戸川朝人
百花とは百語に似たり夜の桜/平松良子
馬車の荷の百花に風や復活祭/草間時彦
俳句例:41句目~
垣の外に萩咲かせけり百花園/正岡子規
見るところみな枯草や百花園/星野立子
消息やコスモス百花揺るる中/青柳志解樹
百花園もとより浸り秋出水/久保田万太郎
牡丹百花衰ふる刻どつと来る/橋本多佳子
佗びすみて百花あまねく悩む春/飯田蛇笏
百花園子規忌と思ひつつめぐる/山本歩禅
八十の父にぼうたん百花かな/佐藤喜代子
冬小菊祝ぎの百花の手に重し/石田あき子
冬枯れの葉づれこゑだつ百花園/石原八束
咲きつぎて朝顔百花もう結構/甲斐すず江
夕ベ来て梅雨のはれ間の百花園/鈴木花蓑
良夜かな琴の音揃ふ百花園/佳藤木まさ女
子はコイン投げ込む百花撩乱へ/対馬康子
法師蝉ばかりの昼や百花園/阿部みどり女
薔薇百花壷中の家となるも良し/高原初子
見に行くや野分のあとの百花園/正岡子規
枯野見やついでにのぞく百花園/野村喜舟
枯れに入る百花百草あるままに/山田千代
白木蓮百花に後れなかりけり/市野沢弘子
俳句例:61句目~
柩かこむ春の百花に喪の色なし/内藤吐天
百花もて葺きし御堂の重からず/金藤優子
風光る卓布に百花刺し終へて/岡部名保子
みよしのゝ百花の中やひそと著莪/及川貞
百花咲くや麦藁帽子まづ買はな/村越化石
百花咲く園や囀り日もすがら/吉良比呂武
百花咲てかなしび起るゆふべ哉/高井几董
ハーレムの跡に百花の薔薇くづれ/岩崎照子
凧ひとつ延び来て澄めり百花園/水原秋櫻子
牡丹焚く百花千花をまぼろしに/鈴木真砂女
犬ふぐり一つ見つけて百花ほど/佐々木六戈
この園の百花のなかの花みようが/吉屋信子
ばら百花曇天の日のある限り/阿部みどり女
みすずかる信濃にちらふ百花の賦/伊藤敬子
サフランを庭の百花のはじめとす/福田蓼汀
満天星の百花の揺れて相触れず/大塚とめ子
春雨のふれば恋しき百花園/スコット沼蘋女
一木に一花一木に百花これも牡丹/鈴木真砂女
百花園はいりてひろき木の芽かな/百合山羽公
立てひらく屏風百花の縫ひつぶし/松本たかし
俳句例:81句目~
一めんのすゝきの枯レや百花園/久保田万太郎
一花咲きたちまち百花水芭蕉/たむらちせい「兎鹿野抄」