受難)に関連した俳句の例をまとめました。
受難)を含む俳句例
受難節卓に鶏卵光りをり/上田操
廃船にあつまる鴉受難週/下田稔
逃亡は受難の始め聖夜劇/都築典子
蛇穴を出て投石の受難有り/山口洋
愛読せし本見当らず受難節/錦織鞠
聖壇の何も置かれず受難節/森田峠
喉痛むとも暗誦や受難節/中村一志
受難図のいつも黎明寒書斎/早崎明
受難曲勁し雪飛ぶ塔の先/橋本榮治
落椿地に紅かりし受難節/渡辺夏人
庖丁の錆を落せり受難節/古畑/和
黄塵に巷消えさり受難節/井沢正江
烈風の島に鳩啼く受難節/龍田杏村
耶蘇島は風音ばかり受難節/辻三枝子
受難節大工一人で木を運ぶ/亀井糸游
芦の芽のすべて尖りて受難節/長田等
こぼるるは蝶の鱗粉受難節/玉井北男
磔像に受難前夜の春の月/野見山朱鳥
受難節恪印負ひて砂利車/百合山羽公
まろび走す仔豚よ村の受難週/有働亨
俳句例:21句目~
彗星の尾の青白き受難節/澤井益市郎
飲食の火のうらおもて受難節/北光星
パンの耳雀に撒きて受難節/江崎成則
一喝めく同志の別辞受難節/香西照雄
受難図に海光桃の狂ひ咲き/松田/淑
受難節烙印負ひて砂利車/百合山羽公
妹の白きブラウス受難節/中村わさび
捨畑の石のまばらに受難週/中尾杏子
吊されて玉葱芽吹く受難週/中尾杏子
受難節今日の夕映鮮烈に/古賀まり子
眼を一つ神に捧げて受難節/井上純子
糸杉の道はるばると受難節/有馬朗人
緬羊の汚れやすさよ受難節/柴田茫洋
あい嘔の虹欲しき窓受難週/伊丹さち子
受難節天上にあり朝寝せり/百合山羽公
ばらの刺まだ柔らかく受難節/村手圭子
片耳に十字のピアス受難週/杉山三知子
湖べりにさくらつらなり受難週/森澄雄
受難日の烈風蝌蚪の水昏し/小林黒石礁
受難日の接吻海の荒男にて/下村ひろし
俳句例:41句目~
受難週地よりも空に花多し/古賀まり子
受難日のシモンの家に白鶏鳴く/堺信子
受難日や空によぢれて飛行雲/斎藤十象
受難節肉屋の鉤のひとつ空く/山本左門
受難日の静けさに降る桜蕊/秋月すが子
受難節林芽ぐみつ風に鳴る/古賀まり子
腰架の角ならびたり受難節/阿波野青畝
地に群るる嘴鋭き鳥や受難節/馬場駿吉
放ちやる秋蝶ひとつ受難図下/堀口星眠
受難こそわが地の塩よ露微塵/石原八束
貨車の上に黒き雪降る受難節/井沢正江
屑買の屑かがやけり受難週/古賀まり子
降さるる像に額づき受難節/水田むつみ
散り急ぐ桜よ受難週に入る/田川飛旅子
鳶は笛吹かずに舞へり受難節/加藤洋子
花わさび鉄砲水の受難の碑/小山今朝泉
あかつきや受難日の風戸たゝきて/及川貞
ここに立つ受難キリスト葡萄摘/山口青邨
ぼんやりといる草の上受難節/須藤はま子
泥鰌掘る受難イエスのごと汚れ/景山筍吉
俳句例:61句目~
受難の図晩夏の花はかをりなき/堀口星眠
受難図の朱衣がしたたり秋の風/大島民郎
覆はれし受難のイエス雪降れり/大野林火
受難曲満天星の雨しろがねに/古賀まり子
畝を冠とす受難の一路麦は黄に/藤後左右
金雀枝は実となりマタイ受難曲/高沢/忠
受難節薄暮の雪となりにけり/奥野すみ江
受難節鍵穴一つにみな鳴る鍵/平井さち子
土用鰻今日受難日と思ふべし/法本フミ女
坂の上日も暮れがての受難樂/下村ひろし
よこはまを濡れて歩きて受難節/兵野むつみ
受難図の血に来てとまる冬の蝿/冨田みのる
オルガンの黒布ゆゆしや受難節/下村ひろし
受難節ほろほろははな散り初めし/吉本信子
弱きが強きを恕すがお詫び受難節/香西照雄
ものの芽に野の風あらき受難節/古賀まり子
からたちの琥珀ふふめり受難楽/能村登四郎
受難日の絵硝子のほか燭も消え/八牧美喜子
受難節の日矢むらさきに雪の原/鷲谷七菜子
受難図を見て若芝を踏みためらふ/古賀まり子
俳句例:81句目~
受難曲聴く夏座敷開け放ち/宮脇白夜「右近」
十字切つて翔ぶ尾長鳥等よ受難節/石田あき子
恥ずかしそうなノート置かれて受難節/本田ひとみ