行人に関連した俳句の例をまとめました。
行人を含む俳句例
此道や行人なしに秋の暮/芭蕉
行人に歳末の街楽変り/中村汀女
行人に日雇まぎれず秋の暮/昌寿
門を出れば我も行人秋の暮/蕪村
雪しまく行人塚の雌狐/望月精光
行人もなしやあからむ山の柿/久臧
行人の背にある蝿や麦の秋/たかし
秋風に行人誰もみな真顔/吉屋信子
秋風の行人に紛れ心易し/小林康治
行人のなかにわが母終戦日/原田喬
行人の螢くれゆく娼家かな/富田木歩
枯野行人や小さう見ゆるまで/千代女
行人に籠居見らるるや雪柳/村山古郷
行人に枯林の落暉及ばざり/林原耒井
行人に娼婦に霧の流れけり/岸風三楼
行人にしばらくは舞ひ雪涅槃/岸田稚
行人にすゝめる酒や秋祭/楠目橙黄子
雪掻くや行人柚を払ひ過ぐ/高浜虚子
行人にほいくと雪おろしけり/中島杏堂
行人にわれを見出しぬ秋の暮/西山泊雲
俳句例:21句目~
行人に影を奪はれ仕事なし/林田紀音夫
極月の行人の背に呵責あり/渡部抱朴子
行人に籬のばらの古りそめし/林原耒井
行人に門茶ある家教へけり/安藤橡面坊
行人を高く見あげて土あつき/藤木清子
行人とありまぼろしの緋連雀/鈴木修一
行人と昏れゐて献金少女たり/岸風三楼
行人にかゝはり薄き野菊かな/星野立子
行人みな赤福さげて伊勢は秋/小川濤美子
行人や小春日に掌をおとがひに/京極杞陽
行人をとゞめず凍てる一木かな/中島月笠
行人に雪野の起伏晴れにけり/金尾梅の門
行人裡ゆきて彼岸だなとおもふ/下村槐太
風邪の瞳に綿菓子ふとる行人裡/巌谷小波
枝蛙鳴く行人は気づきをり/飛鳥田れい無公
行人の裳裾を染むるげんげかな/金尾梅の門
行人いづれも背後に火なし青簾/磯貝碧蹄館
行人のわれもひとりよ梅雨の晴/小川濤美子
行人の影さといらつ霜の風/飛鳥田れい無公
行人裡馭夫の鞭ぱんぱんと冴ゆ/伊丹三樹彦
俳句例:41句目~
八ッ過の家陰行人春の蝶/一茶/享和二年壬戌
行人を皿でまねくや薬喰/一茶/文政五年壬午
追れ行人〔の〕うしろや雪明り/一茶/寛政年間
ビルディングも行人も傾斜時の日がめぐる/吉岡禅寺洞