ベッドに関連した俳句の例をまとめました。
ベッドを含む俳句例
朧夜のベッド大陸移動説/仲寒蝉
重陽やベッドの父の口達者/浜明史
ベッド組み立てて十一月の雨/皆吉司
螢籠病めるベッドに昼灯す/石川文子
箱舟の深さ懐し父のベッド/田浪富布
月光やベッド真白き舟となる/桂信子
病棟のベッドは雲か梅雨に入る/皆吉司
鬱と翔つ黝き蜂ありベツドの辺/石寒太
高階に春日あまねし白ベッド/館岡沙緻
雁のこゑわが六尺のベッド過ぐ/多佳子
新涼やベツドのわきに杖二本/岸風三樓
ベッドの灯に春の苺の屹立す/桜井博道
大阪城ベッドの脚にある春暁/石田波郷
大阪城ベツドの下にある春暁/石田波郷
春愁やベッドを支ふ鉄の脚/櫛原希伊子
谷底のやうなベッドや鶲来る/大石雄鬼
死を囃すごと夕焼の空ベッド/岡部弾丸
藻の青でベッドを覆い旅にたつ/渋谷道
目高飼ふベッドの母の目の高さ/南恵子
梅雨寒しベッド上段よりの川/対馬康子
俳句例:21句目~
市街戦ベッドを白く家ならぶ/細谷源二
年の豆床にベッドに容赦なし/椎橋清翠
初写真ベツドの母をとり囲み/宮谷昌代
餅黴びて妻のベッドの裾に落つ/安江緑翠
ベッドから両足の出て子の下宿/藤田敦子
ベッドより別の病院見て師走/里見善三郎
ベッドより子の落つる音天の川/山口友子
ベッドより落ちし片足春惜しむ/白石不舎
ベッドより長き手と足卯波立つ/森田智子
人待つやベッドの軋み錐のごと/那須辰造
余花の雨旅のベツドに足垂れて/高橋沐石
冷房やベッドにループタイ抛る/横山白虹
冷房や泊つべきベッド階二十/稲垣きくの
句を選ぶベッドの夫に秋日濃し/横山房子
夏の暮ベッドに正坐しておれば/池田澄子
夫の蹠洗ふベツドに師走の日/石田あき子
朝の蝉ベッド転落つつぬけに/石田あき子
春逝くや白きベッドの幾起伏/鷲谷七菜子
流氷のひとつ月光裡のベッド/小檜山繁子
死して月ベッドの窪みだけ残す/櫂未知子
俳句例:41句目~
白鳥の降り立つベッド軋ませて/対馬康子
身に沁むやベッドの裾に夫眠る/徳武和美
虫の夜の二段ベツドに夢ふたつ/満田春日
蝿去るや食餌無配のベッドより/橋本鶏二
鶯や杉の中かとベッドより/阿部みどり女
運ぶはベツドか黒人兵の舌暑し/岩田昌寿
娼婦来てベツドに坐る我鬼忌かな/角川春樹
夏の夜のベツドを船とねむりけり/村越化石
空ベッド梅雨の物売来て濡らす/肥田埜勝美
老父痩せ昼寝やベッドが浮べしよ/香西照雄
東京やベッドの下に蜘蛛ひからび/横山白虹
子規のベッドにもの書かざれば只の人/原裕
ベツドまで枯葉四十年生きつめて/斎藤愼爾
ベッドより遠くが見えて冬めきぬ/菖蒲あや
ベッドの上顔が暮れゆく蝉の声も/大井雅人
除夜の妻ベツドの下にはや眠れり/石田波郷
ベッドかこふ帳や春の忍び寄り/松根東洋城
雲間洩る寒月ベッド撫でゆけり/榎本鶴さと
アカハタと葱置くベツド五月来る/寺山修司
葬果てゝ病者らベッドに戻りけり/小畠稲村
俳句例:61句目~
かさなれる移民のベッド梅雨昏く/五十嵐播水
年明くとベツドに凭りて足袋はけり/石田波郷
空しきベッド風鈴時に鳴ることあり/林原耒井
羽蟻たつベッドはねむるのみならず/寺山修司
脱け落ちし夫の指輪にベッドの冷え/横山房子
虫しぐれ手術待つベッド初夜に似る/岩田昌寿
虫鳴くや一人のベッドゆるぎなし/池上不二子
蝉かなしベッドにすがる子を見れば/石田波郷
朝焼くるベッド花芯にあるごとし/蓬田紀枝子
夫病めば西日ベッドの下にも射す/殿村菟絲子
母のベッドありしあたりの緋絨毯/大木あまり
目覚めるたびベッドが古くなっている/池田澄子
ベツド一畳死に場所と決め温まれり/村上/泰子
ばら切つてわれの死場所ベッド見ゆる/寺田京子
ママお早う薔薇が咲いたとベッドの子/今井千鶴子
癒えてベツドに砂金のごとし菓子のくず/敷地あきら
ミモーザを活けて一日留守にしたベツドの白く/河東碧梧桐
檻のやうなる金属ベッドを組み立てて息子は憩ふ受験終りて/花山多佳子