夏布団に関連した俳句の例をまとめました。
夏布団を含む俳句例
飾窓夏蒲団欲し就中/石塚友二
兄弟の弟赤子夏布団/蓬田紀枝子
山寺や少々重き夏蒲団/高浜虚子
夏掛を一枚抱え漂流中/高澤良一
夏蒲団一枚重ね山の宿/谷村喜美子
夏蒲団恙の足を重ねけり/西山泊雲
紅々と麻疹の顔や夏布団/滝井孝作
夢占や虫の髭ふる夏布団/丸山海道
夏布団恙の足を重ねけり/西山泊雲
一泊の寝の美しき夏布団/遠藤梧逸
夏掛して妻と思ひ出話など/高澤良一
夏布団重しと根室泊りかな/岡林筍林
かたはらにあれば安心夏布団/辻桃子
夏布団横に男のゐる不思議/上原富子
長男の足ひつ込まぬ夏蒲団/稲畑汀子
乾び臥す父の大足夏布団/伊丹三樹彦
夏布団薄く敷きつめ坊泊り/関口/碧
相談の結果今日から夏布団/池田澄子
晩涼の腹あたたむる夏布団/大野林火
夏掛の薄手が頼りなき夜明/高澤良一
俳句例:21句目~
夏掛は目覚めし指に懐しく/高澤良一
夏掛をゆうに余れる足二本/高澤良一
夏蒲団臨月の身を持て余し/中村純代
夏布団病篤ければおとなしく/中村汀女
子の腹を又逃げてをり夏布団/佐藤五秀
胸に綿あつまつてゐる夏布団/大石雄鬼
嫁してなほ寝顔稚しよ夏布団/田中青史
山小屋の屋根に敷詰め夏布団/秋田裕弘
抱きしめ弾力のなき夏布団/殿村莵絲子
足元にたゝみて病めり夏蒲団/松葉星幼
体には毒よと夏掛かけ呉れぬ/高澤良一
手探りでさがす夏掛あらぬ方/高澤良一
夏掛の上に掌を置き想ひごと/高澤良一
夏掛の白を揃へて父母安寝/冨田みのる
蚊帳裾を色はみ出たる夏布団/西山泊雲
解熱剤効くを待ちつつ夏布団/千原草之
夏掛やあかつきちかき深眠り/宮下翠舟
夏掛やつかひつくさぬ運の上/安東次男
夏掛や夢さめやすい肌さはり/瀧井孝作
夏掛や母のほとりに安らかに/長谷川櫂
俳句例:41句目~
夏掛や転寝の孫のころがれる/瀧井孝作
しづかにもたのしむ命麻布団/清原枴童
夏布団ふわりとかかる骨の上/日野草城
夏掛を手繰りつ妻と二タ三言/高澤良一
萎えし手に足もて掛ける麻蒲団/中山勝仁
夏掛てふ健気なるものうち被り/高澤良一
さらさらと水遠ざかる夏布団/中尾寿美子
たよりなき軽さに馴れず夏蒲団/稲畑汀子
夏掛の引っ張りすぎを押し戻す/高澤良一
夏布団あさきゆめみし恋もせず/永田青嵐
夏布団衿掛けなほし人を待つ/八崎/菊江
寝くたれの股にはさまり夏布団/矢島渚男
母が泊りに来る夏布団つくろひし/安住敦
病みてより涙もろさよ夏蒲団/高橋淡路女
足二本逝くときに似て夏布団/山田ひろむ
夏掛や寝茣蓙の上の一トつかみ/瀧井孝作
掛けて見る子の贈りもの夏蒲団/竹谷緑花
夏掛や淡き眠りのまま覚めず/片山由美子
長男も次男もなくて夏布団/面毒斎八女太
あかつきを驟雨過ぎをり麻布団/草間時彦
俳句例:61句目~
水いろの夜明け這ひ寄る麻布団/有馬壽子
窓の月夜々に美し麻布団/吉武月二郎句集
夏掛を胸まで掛けて目覚めけり/能村研三
麻布団浅黄の糸のさゆれをり/阿部みどり女
さみどりの夏掛やすし胸の息/きくちつねこ
たぐり寄す夏掛その内夜も明けん/高澤良一
あけがたの雨のさむさや夏布団/徳永山冬子
夏掛や死のかけものもこの程度/能村登四郎
よく動く子等に掛けやる夏蒲団/小島阿具里
夏掛にさして寝ねつぐこともなし/中村汀女
夏掛にたはむるる子よとく寝ねよ/堀口星眠
寝姿のよき妓なりけり夏布団/長谷川かな女
夏掛のみづいろこころ清くあらむ/辻美奈子
夏掛を挙げ句の果てにぐるぐる巻/高澤良一
麻布団あをあしはらの夢見たり/山田みづえ
夏掛のひやっとせるをあてがひぬ/高澤良一
ある夜ひとり泣いて額まで夏布団/鈴木真砂女
十六夜の手摺に旅のタオル掛け/阿部みどり女
夏掛けのみづいろといふ自愛かな/能村登四郎
たちばな色の鈴縫ひ込まむ夏布団/鳥居美智子