障子洗ふに関連した俳句の例をまとめました。
障子洗ふを含む俳句例
古社宅障子十三枚洗ふ/山田弘子
大寺の障子を洗ふ唯一人/田中裕明
湖に障子を洗ふ人数かな/佐藤梧林
洗ひたる障子美し木斛に/下村槐太
いく歳も障子を洗ふ水流れ/萩原麦草
歳月の障子の疵を洗ひけり/鈴木龍生
鉱山の村噴井に障子洗ふなど/瀧春一
鉱山町や障子を洗ふ一ト流/清原枴童
滝に洗ふ西山荘の障子かな/西本一都
定年の夫任されて障子洗ふ/細川君代
一村の波立つ障子洗ひをり/今瀬剛一
関の址障子を洗ふ音ばかり/加藤楸邨
障子洗ふ腰板に水ふくらめり/上村占
吉野川洗ひ障子の赤はだか/平畑静塔
障子洗ふ女社長となりし人/林真砂江
葭障子洗ひ仕舞はれ月の蔵/波多野爽波
菱採りに障子洗ひの波の来る/松山足羽
炉いぶしの障子洗へり梓川/水原秋桜子
溜息の染みたる障子洗ひけり/宮内克樹
亡き妻の影沁む障子洗ひけり/板垣紫洋
俳句例:21句目~
鶏頭を濡らして障子洗ひけり/岸本尚毅
坑内水の流れに障子洗ひけり/河原好枝
声かけて障子洗ふうしろ過ぐ/廣瀬直人
洋妾や障子洗ふに来てかごみ/河野静雲
宇治に立て掛け洗ひ障子かな/関戸靖子
洗ひたる障子うつくし木槲に/下村槐太
海をなす出水に障子洗ひけり/鈴木花蓑
洗ひ終へ重たく障子運び去る/稲畑汀子
蜑びとの海に障子を洗ふころ/山口誓子
谷川や障子を洗ふ堰づくり/楠目橙黄子
川下の障子洗ひのかげりけり/鈴木花蓑
布袋草押しやり洗ふ大障子/小原菁々子
庭に見て障子を洗ふ川なさず/石川桂郎
障子洗ふ日豊線の車体透き/加倉井秋を
障子洗ふこの澗水の玉を成し/久米正雄
障子洗ふみちのく人に山の音/村山古郷
障子洗ふや内臓見せて小住宅/北野民夫
山川に見かくる障子洗ひかな/堤俳一佳
根上りの松に障子を置き洗ふ/中村汀女
障子洗へば桟に透く山河かな/鷹羽狩行
俳句例:41句目~
青桐に洗ひ障子をたてかけぬ/瀧井孝作
青空に障子を上げて洗ひけり/山口青邨
鮠の列障子を洗ふ波のまゝ/水原秋桜子
眼の中も流れのくらさ障子洗ふ/増田達治
をちかたの洗ひ障子や日に燦と/山口誓子
千鳥来て障子を洗ふ浪とゐる/水原秋櫻子
妊リて二枚しかない障子洗ふ/加倉井秋を
山の子の乗りて洗へる障子かな/河野静雲
山の子等洗ひし障子舁き来る/米沢吾亦紅
障子洗うて池のほとりを汚しけり/原石鼎
山川のあをきに洗ふ障子かな/吉岡禅寺洞
水の面に押しつけ洗ふ障子かな/岡崎芋村
障子洗ふには団地出て町を出て/守屋明俊
突きさして障子を洗ふ水すめり/萩原麦草
洗ひたる障子に月の出のくらさ/田中裕明
障子洗ふ人居りたれば磧まで/吉岡禅寺洞
洗ひたる障子に瀬音憑くごとく/田中裕明
障子洗ふ水にかつ散る紅葉かな/草間時彦
障子洗ふ波に寄り得ぬ芥かな/大橋櫻坡子
障子洗ふ潮さしくるや泊り船/楠目橙黄子
俳句例:61句目~
洗ひをる障子の下も藻のなびき/大野林火
亡き母の貼りし障子を洗ひけり/松尾隆信
浪の花洗ふ障子をはしりつゝ/阿波野青畝
温泉の町の家並に洗ふ障子かな/松岡芙蓉
無花果のかげに洗へる障子かな/野村泊月
障子洗ふ代々の瀬戸片沈む川に/中村草田男
障子洗ふ四五戸が谷戸の流れ堰き/皆川白陀
洗ひたる障子ばかりの暮色かな/五所平之助
沙弥つれて障子洗へる尼ぜかな/川上土司夫
流れくる障子洗ひのたわしかな/吉岡禅寺洞
障子洗ふ白石川にまた逢へり/阿部みどり女
みづうみに四五枚洗ふ障子かな/大峯あきら
へなへなと洗ひ障子を立てかけぬ/細川加賀
障子洗ふや日をうしなひし水の面/嶋田青峰
洗ひ障子赤のまんまに置きにけり/松藤夏山
さざなみのかなめに障子洗ひをり/阿部ひろし
おかしさや洗ひ障子にやぶじらみ/大橋櫻坡子
さびしくてならぬ障子を洗ひけり/佐々木六戈
障子洗ひて山々のやつれ見えにけり/室生犀星