花生けに関連した俳句の例をまとめました。
花生けを含む俳句例
花生けに葉は惘然と散る椿/也有
花活けし桶に若水加へけり/近藤弘
山桜残花のさまを筒に活け/佐野美智
牡丹を活けをり花を抱く如/皆吉爽雨
背負籠に草の花活け旱雲寺/大野芳子
盆花を活ける竹筒削りをり/海野/勲
病人花活けるほどになりし/尾崎放哉
仏壇に桃活けてある三日哉/正岡子規
草の花活けて出迎へくれし宿/久保寥
萩活けし花屑掃くや萩に風/久米正雄
薔薇活けて外料病室に花鋏/品川鈴子
活けてより咲く燕子花色淡し/朝倉和江
胡蝶蘭花を沈めて活けらるゝ/高浜年尾
ある時は淋しき花と蘭を活け/稲畑汀子
草庵や真菰の花の活けてあり/岡安迷子
紅藍花を活けて風呼ぶ座敷蔵/近藤静輔
活ける間の花を眺めて桐火桶/井上井月
燕子花活けてぞきかむ水の声/朝倉和江
さも可憐にて活け難き桃の花/中村明子
秋の宿茶の花活けて客少な/高橋淡路女
俳句例:21句目~
石楠花を風呂にも活けて山の宿/本井英
山住みの人参の花活けもして/園多佳女
ばら活けて器の満水に心足る/飯田蛇笏
白き花活けて新茶の客を待つ/正岡子規
をみならの病室桃の花活けて/渡辺立男
不老不死てふ花活けてみて朧/稲畑汀子
犇と活けて花野の花や心霧/松根東洋城
花活けて盆の理髪所海見ゆる/宮武寒々
雷ひそか花活けてゐる女たち/飯田龍太
青柿の花活け水をさし過ぎぬ/飯田蛇笏
僧の書あり瓶に活けたる秋の花/正岡子規
受験子へ見守るのみの花活ける/秋山愛子
大ぶりに活けて華やぐ桃の花/渡辺千鶴子
大年の花活け終へし手のほてり/朝倉和江
有るだけの花を活けたる寝正月/藤田節子
桃の花たつぷり活けて忌を修す/角/裕子
桃の花活けこぼしたる蕾かな/高橋淡路女
びろうどの花活け逓吏春の風邪/宮武寒々
水仙の葉を活けて花ありにけり/嶋田一歩
活けてみて鶏頭といふ昏き花/後藤比奈夫
俳句例:41句目~
活け花の桜ほんものパチンコ店/右城暮石
秋めくや活けて細身の花ばかり/山田弘子
桃生けて菜の花生けて不足なし/後藤夜半
花活けて面テさやかや炭をつぐ/増田龍雨
花菜活け一ルクスほど明るくす/松下秀俊
流離の日返し桃生け花菜生け/後藤比奈夫
極楽鳥花ありつたけ活け年迎ふ/松村多美
花生けて湾いつぱいの卯波かな/岩田由美
落柿舎の釣瓶に活けし草の花/野上山椒子
きさらぎや水より淡き花活けて/朝倉和江
野の花をたつぷり活けて石鼎忌/深川知子
金盞花活けて日あたる父祖の墓/栗山妙子
きのふ活けて今日蕣の花もなし/正岡子規
ばらの花活けバラ苗の販売所/溝口みさを
韮の花活けて光らすガラス壺/上野さち子
僧が庵菜の花生けて茶もあるらし/寺田寅彦
木沓穿き花活け替ふる梅雨の書庫/宮武寒々
活ける間も花のこぼるる杜鵑草/松沢佐多子
活け上げて野花にいこふ夏の雨/佐藤しづ江
桜活けた花屑の中から一枝拾ふ/河東碧梧桐
俳句例:61句目~
室咲きの菜の花活けて乙字の忌/鈴鹿野風呂
今朝活けて富士の木天蓼花散らず/渡邊水巴
蒟蒻の花活けられて父老いず/足立原斗南郎
一壺あり活けられたるは花胡桃/池内たけし
いたどりの花活けてあり鮎料理/北川まどか
たくさんの活け花のある寒さかな/岸本尚毅
活けて久しき茶の花散りぬ土達磨/正岡子規
茶の花を花生けに生けて爐をおこす/正岡子規
茶の花を活けて明治の刀自の居間/大室/達恵
折れしまゝ活けてよきもの花太藺/後藤比奈夫
うこんの花ガラス器に活けみんな透明/福富健男
ぽつとりとした電球胡蝶花を活けたな/北原白秋
いたつきの人の活けたる尾花かな/吉武月二郎句集
のうぜんの花活けて赤ければきみが来る/滝井孝作
花活けて部屋の静かな野分かな/原月舟、長谷川零餘子編
竜胆の花を活けをれば先の世も後の世もひとり棲むかと思ふ/大西民子