薺打つに関連した俳句の例をまとめました。
薺打つを含む俳句例
薺打中に女の笑ひかな/冠露
若殿を抱て夕打つ薺哉/牧童
草枕薺うつ人時とはん/山川
一きほひ六日の晩や打薺/許六
裃を着け端然と薺打つ/本岡歌子
こと~と老の打出す薺かな/鬼城
その藪に人の住めばぞ薺打/一茶
行燈に七種はやす手暗がり/句仏
薺打つ音が母呼ぶ亡き母を/林翔
薺うつ先々のこと考へず/岸田稚
海鳴りへ七種を打つ音加ふ/柏禎
根小屋まで打下したる薺哉/史邦
あの藪に人の住めばぞ薺打つ/一茶
薺打つ大瀬に雪のしまきつつ/龍太
薺打つ細め細めし粥の火に/赤松子
薺打つ音につながる母は亡し/林翔
八方の嶽しづまりて薺打/飯田蛇笏
山脈に闇なじみたる薺打/長崎玲子
打つ音に暁色動く薺かな/石原草人
机にもきこえてきたり薺打/森澄雄
俳句例:21句目~
薺打つ無雙の母となりにけり/斎藤玄
眠られぬ朝に見る夢薺打つ/二村典子
薺打つ音か女の哀しい音/加倉井秋を
妹が子は薺打つ程に成にけり/成/美
薺の句薺打つ日を忘れたり/高浜虚子
包丁の真新しさが薺打つ/小阪喜美子
世に古りし色の俎板薺打つ/南秋草子
薺打つ音に目醒めて二日酔/根岸善雄
薺うつ遠音に引や山かづら/松岡青蘿
客二人七種はやす戸に来る/高浜虚子
薺打つ姑の生涯すこやかに/小池美千子
母よりは高き声上げ薺打ち/九鬼あきゑ
薺打つや袂をつめし出羽紬/古賀まり子
薺打つ音澄むくりや雪降れり/足羽雪野
薺打つ唄の終りは忘れしが/奥田とみ子
七種や似つかぬ草も打まじり/松藤夏山
薺打つ妻ソプラノに囃しをり/大野裕康
薺打って打つて昔を引寄せる/茂木白燕子
薺打つ音やめば隣り子も寝てか/平栗猪山
薺打つ音をも聴かず住み古りぬ/杉山岳陽
俳句例:41句目~
薺打つしらじらしさをたのしめり/絵馬寿
みかど崩御いまも胸打つ薺の日/富田潮児
薺打来世も父母を父母とせむ/渡邊千枝子
薺打つてわづかに老の胸ともる/黒木夜雨
無器用に世の隅に生き薺打つ/古賀まり子
薺打つ俎板を先づ濡らしけり/山田みづえ
薺打つすととんとんと母癒えよ/渡辺恭子
はやし唄母より洩れて薺打つ/遠藤喜久女
一と抓み薺を打ちて足りにけり/山谷傘夜
四方に打つ薺もしどろもどろ哉/松尾芭蕉
薺打ちし俎板に据ゑん盆栽も/河東碧梧桐
裏町にすぐ打ちやみし薺かな/長谷川春草
まなうらにふるさとの海薺打つ/小久保洋子
はしための古りまさりてぞ薺打つ/松藤夏山
川を渉りてあがればきこゆ薺打/廣江八重櫻
薺打つて浮名まうけの恋も果つ/稲垣きくの
和す者もあらぬ薺を打ちゐたる/沢田しげ子
薺打つとぎれとぎれのむかし唄/小川匠太郎
俎板の染むまで薺打ちはやす/長谷川かな女