みみたぶに関連した俳句の例をまとめました。
みみたぶを含む俳句例
春の雪鮨の匂ひの耳朶よ/林桂
冬草や耳たぶ汚れなき青春/爽波
少年の耳朶染まりゆく弓始/佐藤翠
指細く耳朶薄し寒の旅の中/草田男
久方の空の耳朶色づきぬ/攝津幸彦
受験子の紅き耳たぶ薺粥/松村多美
耳朶になほ鼓打つ音花月夜/下村良邨
耳たぶ凍り冷血動物の感触/安成三郎
耳朶透かし父子でつくる氷橋/源鬼彦
失言の耳朶熱く亀鳴けり/橋本夜詩美
耳朶熱し乗鞍を霧奔りづめ/河合凱夫
春疾風歳月に耳朶奪はるる/河野南畦
持国天の厚き耳たぶ若葉風/赤嶋千秋
原爆忌耳朶すこし痒くなる/大石雄鬼
耳朶をそろえて並ぶ冬の駅/中田美子
足迹や凍死者耳朶に血一痕/北野民夫
黒百合に耳朶うすき人と知る/河合薫泉
亡き父の耳たぶ揺るる高菜畑/池上樵人
傾城の耳たぶ広しほとゝきす/正岡子規
八月や重たきひかり耳朶に/和田耕三郎
俳句例:21句目～
旅惜む鶴唳のなほ耳朶にあり/藤浦昭代
凧張つて蘇へるもの耳朶の色/成田千空
秋暑し耳朶ひっぱると伸びる/池田澄子
生人参噛る患者よ耳朶うすし/坂口子平
わが耳朶に光るは蝶の卵なり/津田清子
子の耳朶の日に透く朱さ義士祭/鈴木勲
子の頬に耳たぶ触れて鷹の空/黒川憲三
春雷が鳴りをり薄き耳朶の裏/三好潤子
手花火の闇に童女の耳朶浮きし/源鬼彦
耳朶に灯の透きし夜店の白兎/土生重次
耳たぶを花のごとくに洗ひ髪/鷹羽狩行
耳朶は岬のかたち冬晴れて/和田耕三郎
葉桜に聰き耳朶もつ乙女たち/原コウ子
蜻蛉触れ風触れ大き父の耳朶/寺田京子
指先を耳朶であたため梅若忌/西田/孝
わたつみの声なお耳朶に終戦日/掛/花城
耳たぶを押さえて花火怖がる子/高澤良一
耳朶やわきダムの新樹ら青幾色/寺田京子
姑の声耳朶に残りぬ花ぎぼし/小島千架子
耳朶を噛んでおぼろ月夜かな/岡田カヨ子
俳句例:41句目～
耳朶冴えて星々の声待つごとし/鈴木修一
耳朶熱く雪解に覚めて水を飲む/中尾白雨
ロシア酒に火照る耳たぶ流氷来/笠川弘子
耳朶に日のあかあかと卯波かな/岸本尚毅
蔭雪やつねにも冷えて耳朶二つ/野澤節子
末黒野に立つ父の耳朶少年めく/石川和子
耳朶に透く西日岬のゆきづまり/津田清子
闇の底で耳朶があつめる星の韻/江里昭彦
耳朶のやはらかきこと恃む春/能村登四郎
マスクするたび耳朶は生え変る/宇多喜代子
治聾酒に耳たぶ痒くしてをりぬ/ふけとしこ
眉毛にも耳朶にも著けり隙間風/相生垣瓜人
秋暁の電話たしかに訃を耳朶に/柴田白葉女
筍鳥やふたつ耳たぶ寝足らひし/猪俣千代子
少年の耳朶日に透きて芙蓉咲く/馬場移公子
羽織脱ぎ耳たぶ染めて十二月/阿部みどり女
耳たぶを噛まれて蟻にひかるるよ/平井照敏
まろび寝の耳たぶ月のあかるさ来/中山純子
プールより上がる耳たぶ光らせて/西村和子
冬の蚊の耳朶をくすぐる羽音かな/土岐公子
俳句例:61句目～
北窓ひらく隣家の二階雲の耳朶/柴田白葉女
髪刈つて耳朶のさびしき土用東風/山崎秋穂
夜のおけら耳朶を聾するばかりなり/原石鼎
四面楚歌香水左右の耳朶に/三橋鷹女「白骨」
白菜かがやく耳朶ほてらせて洗ふ妻/河野南畦
地では耳朶のあつさを怺えている/宇多喜代子
耳朶の毛の生えてそのまま冬の荼毘/斉藤夏風
きさらぎの耳朶やはらかく水鳴りて/加藤耕子
耳朶から蟻つまむ「一本は慈愛の手」/竹中宏
しづかにしづかに耳朶色の怒りの花よ/高柳重信
地虫耳朶に憑くや刻々に痰つまる/赤城さかえ句集
耳朶の毛の生えているそのまま冬の荼毘/斎藤夏風
霍乱の耳たぶを引つぱつてゐる/小林貴子「北斗七星」
にっぽん資本主義ゴルファーたぶたぶと耳たぶ/田中波月
おまつりは終わったのかな/名前さえ思い出せないひとの耳たぶ/東直子
