木を彫るに関連した俳句の例をまとめました。
木を彫るを含む俳句例
木臼彫る氷柱の村を水迅く/龍太
新涼や磨きて対の木彫鹿/長田等
新秋やチロル木彫の皿軽し/有働亨
笹鳴やけふ開眼の木彫仏/伊東白楊
乾鮭は仏彫る木の荒削り/渡辺水巴
木彫の鈍き鋭どき夏静寂/和田悟朗
衣手の松の色はえ木彫雛/水原秋桜子
はしきよし妹背並びぬ木彫雛/秋櫻子
丹の透ける木彫仏や蟻地獄/小島花枝
仏彫る木屑も仏青葉木菟/木村里風子
冬晴や一刀彫の木の香跳ね/長谷川翠
木に彫つて寧楽七色の雛かな/飴山實
木像を彫り光陰を涼しうす/藤田湘子
秋近し木彫の鳥に色重ね/大曽根育代
木臼彫る家裏しんと水流れ/飯田龍太
おんはかま折目正しく木彫雛/角川照子
冬紅葉木彫の鹿も日を恋へる/堀口星眠
初観音木彫の御手の荒れ給ふ/萩原幸子
夜長し木彫の木菟と谷の木菟/村越化石
木彫仏冬ざれ空に眼をつむり/河野南畦
俳句例:21句目~
木彫師のかたまり住める春灯/山尾郁代
秋風に面彫る木屑匂いけり/大須賀善和
背割れして古りし木彫の囮鴨/河村宰秀
薫風や一刀彫の木つぱ飛ぶ/塩澤美津女
木彫雛菜の花散ればはなやぎぬ/福田蓼汀
弥陀彫りし木屑を貰ふさへ涼し/吉田紫乃
海昏れて木彫のごとき水仙花/金箱戈止夫
臼を彫る木屑真白や三十三才/小林黒石礁
臼を彫る木屑飛ばして道の秋/楠目橙黄子
芽ぶく木を夜空にふかく彫る燈あり/篠原
遠つ世の面輪かしこし木彫雛/水原秋桜子
青丹よし奈良の土産の木彫雛/高橋淡路女
木彫雛たゞひとすぢのおんまなこ/下田実花
彫り美しき木椅子置きたり秋桜/柴田白葉女
売り切れて鷽の木彫ぞおもしろき/石田波郷
木彫師の舐石の水の澄みにけり/佐藤美恵子
すり寄ってくる目的の木彫たち/石田よし宏
木彫熊の夜霧呼ぶ眼が見下ろせる/河野南畦
うそ替の木彫の運をふところに/小宮久仁子
木彫木菟飾り茶房の愛鳥日/大島民郎「山月」