空地に関連した俳句の例をまとめました。
空地を含む俳句例
売惜む空地久しや枯葎/飄亭
お隣の空地の蘖郁々と/平方ひで
節分の空地に鬼の面外す/白石不舎
子供等の空地とられて懸莨/山口青邨
秋はまづ街の空地の猫じやらし/森澄雄
空地突切る毒消し売の夕ぐれ/喜谷六花
望月の空地はなれぬ本屑の香/野澤節子
茶袋の種蒔きちらす空地かな/尾崎紅葉
鉄削る黍の空地を職場とし/秋元不死男
駒鳥や空地の寺に蕎麦食へば/石塚友二
人体に空地のありて雪の降る/鳴戸奈菜
失はれゆく空地あり赤とんぼ/遠藤忠昭
病院の空地のありて土筆萌え/高浜年尾
うちひさす空地縁どり諸葛菜/八木林之介
うつぼ草レール撤去の空地かな/草野駝王
年々に空地へりゆく祭かな/久保田万太郎
忘れゐし空地黄となす泡立草/山口波津女
祭太鼓空地々々に打ちひびく/榎本冬一郎
蒲公英や路地の空地は皆鋤かる/宮坂静生
術後のわれ冬の空地の草でよし/栗林千津
俳句例:21句目~
製糸廃れ花火の空地ばかりある/木村蕪城
赤まんま空地に捨てゝある枕/秋元不死男
コスモスが空地に咲きて愛されず/土屋鶴子
径としゆききする空地の草枯れ/栗林一石路
水張りしコップに空地の赤のまま/高澤良一
浅茅生ふ空地は風と日の棲み家/小林やす子
虫棲めり空地よりやや家寄りに/川口比呂之
遠き記憶も荒地野菊よ港の空地/松崎鉄之助
空地で刺さる媚薬壜掘る墓掘人夫/赤尾兜子
銀杏散る空地珍らし路地の中/長谷川かな女
鞄かかえなおし空地をゆくは父/五十嵐研三
片附けて元の空地や御ン旅所/坊城としあつ
いなびかりみなとみらいに空地あり/太田良一
これだけ揃うと薄気味悪い空地の猫/山上清子
末枯れの空地の奥に富士を置き/阿部みどり女
空地の草のしつとりと露の東京の朝/栗林一石路
空地ことしは何もつくらず草枯るる/栗林一石路
「ちょうのはか」「きんぎょのはか」で咲く空地/八木三日女