懐紙に関連した俳句の例をまとめました。
懐紙を含む俳句例
懐紙白鶯餅の色残る/稲畑汀子
咲花や懐紙合て四百本/井原西鶴
行年や懐紙をえらぶ市の中/犀星
紙の穴等間隔の懐紙かな/岩崎照子
お懐紙に勅題菓子の影淡く/檜紀代
名月や懐紙拾ひし夜の道/黒柳召波
風邪兆す夕べ真白き懐紙/鈴木鷹夫
静まつた障子の咳やはつ懐紙/麦水
初寄席の曲輪咄の懐紙かな/伊沢恵
鴬餅懐紙余分に配られし/山縣輝夫
恋の座の狼籍となる初懐紙/草間時彦
散松葉懐紙につつむ放光寺/中村幸子
柿食うて懐紙に包む種二つ/富田潮児
羅の胸に懐紙の透き見ゆる/高浜虚子
胸に厚き利久懐紙や初稽古/中川利子
花冷や懐紙に紅を移しけり/柴田奈美
切山椒受けし懐紙に雪の紋/伴藤京子
初春や懐紙の透かし尉と姥/石田克子
初釜の懐紙に咲ける菓子椿/細谷鳩舎
鹿鳴くや熊野懐紙は今何処/串上青蓑
俳句例:21句目～
うすき～ふところ紙に桜貝/高田つや女
はしり書する曲水の懐紙かな/松瀬青々
一夜経し懐紙菫のあはれ濃し/有馬籌子
梅ふふみ熊野懐紙にのこる邑/岩間英一
福茶より懐紙に包む小梅の紅/岡本圭岳
空蝉や熊野懐紙の王子あと/黒田櫻の園
四つ折りにしたる懐紙に初菫/大石悦子
吹雪く夜や懐紙にの隠し捨て/石川桂郎
初懐紙羽織の裏に凝られたる/黒田杏子
後の月ふところ紙に身のぬくみ/下田稔
うぐひすや懐紙に包む零れ菓子/嶋田麻紀
やはらかき懐紙の折目雁渡る/小野恵美子
帽のかび拭ひすてたる懐紙かな/飯田蛇笏
干支の絵の透きし懐紙の椿餅/仙田美津子
菊を焚く口火の懐紙燃えはじむ/鈴木鷹夫
寒紅の燃え移りたる懐紙かな/池上不二子
掛香や懐紙に透けるゼリー菓子/中村多可子
はるりんどう懐紙につつむ夕ごころ/大畠新草
花の句をしるす懐紙のやわらかく/高木青二郎
懐紙もてバイブルの黴ぬぐふとは/飯田蛇笏「家郷の霧」
