税に関連した俳句の例をまとめました。
税を含む俳句例
夏終る税関の海油浮き/田村了咲
税記帳せる傍に豌豆むく/宮武寒々
税百万われ稼がねば人稼ぐ/隈治人
烏瓜税につく嘘相似たり/川畑火川
春寒し税の督促ピンで止む/穴井太
唇あけて聖金曜の収税吏/長谷川双
木簡に残る税の字雁帰る/佐藤サチ
税三百倍や大根土に太る/右城暮石
税重し寒の雨降る轍あと/古沢太穂
税関に一つも荷なし秋の風/森田峠
語気荒き韓の税関秋の雨/前山松花
春寒くわが本名へ怒濤の税/加藤楸邨
白酒や妻とほろ酔ひ税滯めて/岸田稚
パスポート一瞥毛帽税関吏/大橋宵火
此邊も税の増したる冬田哉/正岡子規
税申告わが洋傘の雨漏りす/堀口星眠
鷹鳩と化しいくらかは税還付/渡辺昭
十一月の税吏に向くる空気銃/斎藤玄
痩村や税の増したる今年米/正岡子規
暖房の税務署をでて躓きし/藤野基一
俳句例:21句目~
税関のブラス五月の空展け/高澤良一
税関吏わかく夾竹桃あかし/木下夕爾
花買つて米買つて税啄木忌/須川洋子
虹はえて税関の窗夏たちぬ/飯田蛇笏
雪嶺よ税務署の窓磨かれて/相馬遷子
青葉うるむ税の滞納十三萬/塚本邦雄
税吏また帰す萩咲き定まらず/清水基吉
税務署を出て悴みし犬に会ふ/前山松花
税務署の窓越しに見る鴨の池/高澤良一
炎天やなお抗わず税負う屋根/古沢太穂
税重く人の背ごしの乾鮭光る/岩田昌寿
税下がる話ほんとかいぶり炭/村山古郷
友に恋われに税くる蕗の雨/大木あまり
女手の如き税吏の賀状来ぬ/ねじめ正也
税関を出て来し夫の日焼かな/千原叡子
税吏汗し教師金なし笑ひあふ/加藤楸邨
寒うらゝ税を納めて何残りし/相馬遷子
萩の宿古りあまつさへ税来る/清水基吉
税申告終へて風船もらひけり/下山宏子
税申告済ませしゆとり雛飾る/酒井絹代
俳句例:41句目~
棚経の僧と話して税のこと/藤平伊知郎
櫻草買ふほどの税還りくる/北見さとる
船下りて税関までの波止薄暑/田中鼓浪
天高し税なしフリーマーケット/田中美沙
如月の街に吹かれて税吏かな/大橋櫻坡子
税や憂し臘梅枝垂れ枝垂るゝに/千葉静代
税関吏読めり埠頭は日の盛り/五十嵐播水
税吏来て意外に若き汗たらす/平井さち子
税の数字よ小学生の日の蝌蚪よ/加藤楸邨
余技の税あまりに重し木の葉髪/村山古郷
税務署の暖房暑からず寒からず/相馬遷子
税務署を出て鞭打たる馬に逢ふ/米沢康彦
野菊咲いて税吏至らぬ里もなし/石井露月
ユーカリ未明語尾明確に税関吏/伊丹公子
三月の飛雪見てをり税務署にて/相馬遷子
世の端のわれを忘れず税きし冬/佐野美智
犬に曳かれ犬税納めに四月馬鹿/平井さち子
胡麻叩く税書かたへに置きしまま/乙草之介
持ち山の雪解まで税切り抜けむ/榎本冬一郎
寡婦にまで税務呼び出し二月かな/上田幸子
俳句例:61句目~
どこも税期日除の雨水つきおとす/桜井博道
税関で越後毒消見せもする/中原道夫「蕩児」
瓜喰ふて居るは見知れる税吏かな/石島雉子郎
汽車が虹が雲が税吏が見下ろす谷間/高柳重信
若き税吏に「詩」をと夫や別れ霜/加藤知世子
まず税をののしる汗を拭きあえず/栗林一石路
ひとの税計りつつ汗に痩せにけり/猿橋統流子
税務署に呼び出されゐつはやり風邪/村山古郷
税重く屋根伏せて村は梅咲く日々/栗林一石路
税の世に「ご尊察あれ」と一茶も小貧乏/橋本夢道
税署の花園に「みなさんの花です大切に」/中村草田男
すわりにくい椅子だ/税務吏員が坐れという/佐藤けん一
汚しこし皿数抵當に赦すなき死の取税人われを徴り来/高橋睦郎
税金のかかるリヤカーもみんなわしらには農具でねえかよ/橋本夢道
時来ぬと死の取税人食ひさしの皿さへ徴りためらひもなし/高橋睦郎