聾/みみしひに関連した俳句の例をまとめました。
聾/みみしひを含む俳句例
聾うや有明しらぬ郭公/西調
白き瀬にいま聾か夏花摘/上村占
八十の彼岸聾となりてゐし/麦草
山を出て何を聾に飾売/上島鬼貫
聾耳や病を楯の夏百日/石川桂郎
冬耕の人耳聾ひて風の中/河合未光
朝霜や聾の門の鉢ひらき/内藤丈草
聾盲の母の八十八夜来し/萩原麦草
杉風の耳聾おもふ春の寺/平井照敏
落花浴びて半盲半聾の立仏/安住敦
冬籠り猫が聾になりしよな/内田百間
壮年の自が耳聾ふる威し銃/津田清子
毎日の蝉に聾を決め込むや/高澤良一
聾ひて干毬を焚く巧者なり/後藤綾子
聾に掌の空蝉の鳴きくれし/安川喜七
安火抱く門前のおやぢ聾なり/伊東牛歩
山月に冴えて聾ひたる耳二つ/飯田蛇笏
水垢やかえてきこゆる聾井戸/井原西鶴
渓音に聾ひて昼寝涼しけれ/金尾梅の門
鬼城忌や遺筆の幅は聾の句/伊沢三太楼
俳句例:21句目~
耳聾ひて雪原と青空にあり/千代田葛彦
聾とは外よりしらぬ月見かな/服部嵐雪
けむるほど暑き空あり聾ひし/石原八束
聾青畝面かぶらされ福の神/阿波野青畝
聾鯉屋杉風の忌を修しけり/加藤大虫子
名月や耳聾ひまさる荒瀬越え/飯田蛇笏
蟲の聾膝に時化冷え覚えけり/富田木歩
郭公の聾のあけくれ吾子育つ/木村蕪城
堅香子の花守りて聾ひにけり/上野さち子
聾青畝ひとり離れて花下に笑む/高浜虚子
聾の星廃油が寒さを訴へても/磯貝碧蹄館
聾青畝こゝに居るぞと青葉木菟/阿波野青畝
日の聾ひて冬たつ日光地に敷けり/飯田蛇笏
聾ひの盲ひの巨鐘身を振りしぼり/高柳重信
戦聾の雨だれをきかんとはするか/富澤赤黄男
底冷えのノイズストマイ聾いまも/中戸川朝人
揺れる象のような海聾女の新聞ちぢむ/赤尾兜子
聾阿弥佛も鶴に召されていでましけむ/日夏耿之介
田蛙に耳聾いて夜振戻りかな/塩谷鵜平「土以前」