遺言に関連した俳句の例をまとめました。
遺言を含む俳句例
白侘助遺言二十七行半/塚本邦雄
遺言を守る十年や蘭の花/前川素泉
文月や遺言講座覗きみて/斎藤織女
遺言の末尾に花押初時雨/塚本邦雄
遺言を一行書きぬ冬の浜/櫂未知子
遺言のとほりに土葬霜柱/小室風詩
遺言の酒備へけり魂まつり/炭太祇
遺言の酒そなへけり魂まつり/太祇
草という一字の遺言頂かん/安井浩司
遺言となりし電話の咳の声/関口祥子
兵の遺言簡潔に松色変へず/工藤義夫
遺言状読むに相応し榾明り/原田青児
土用波ことば光りて父の遺言/北光星
大屋根に秋の遺言唐寺晴れ/伊丹公子
遺言の書き方蝶の育て方/岡崎るり子
遺言の真ん中にある夏蜜柑/久保純夫
星出づるまで耕して遺言なし/南雲夏
冬桜乏しら咲きに誰が遺言/文挾夫佐恵
遺言のありと流灯向きなほる/汀川虹村
遺言の小さき墓に参りけり/篠塚しげる
俳句例:21句目~
遺言などまだ認めず種を蒔く/岡部幸子
遺言に干柿の礼御近所様/たむらちせい
遺言の骨撒き海の日なりけり/三枝青雲
政宗忌遺言片目を開け放つ/佐藤富美子
遺言状秋ひし~と脱字あり/佐野青陽人
遺言と遺書とのちがひ花沢瀉/塚本邦雄
マラリヤの兵の遺言聞きもして/江本如山
子に語り遺言めくも夜の野分/殿村莵絲子
遺言とせむ咲き満てるこの花野/中村裕治
遺言でも書いておこうか桜散る/佐伯昭市
藤浪はたてひざで泳ぐ祖母の遺言/仁平勝
遺言は句屏風逆さに立てぬこと/京極杞陽
花八つ手長生き詫びる遺言状/しまはへい
遺言状に漬物石のことを書く/横須賀洋子
握り返す手のあたたかみは遺言か/山本芒原
遺言を書かされてゐる日のつまり/山口草堂
遺言とは枇杷の種吐くやうなもの/ふけとしこ
遺言の木の実植ゑたる今年かな/菅原師竹句集
かへりみし浮巣は遺言のやうに/吉本伊智朗「壷折」