ミシンに関連した俳句の例をまとめました。
ミシンを含む俳句例
音粗き戦時のミシン妻若し/安木白彦
ミシン踏む音に顫へて桜草/西村和子
島に古る足踏みミシン緑差す/中嶋秀子
雨蛙よくなく我もミシン踏む/上田芳子
霜の夜のミシンを溢れ落下傘/永井龍男
乃木夫人愛用ミシン凍ててあり/辻桃子
ミシン台並びやすめり針供養/石田波郷
ミシン椅子秋夜の妻の臀剰り/草間時彦
五十年踏み来しミシン秋日和/三上イツ
夏の瀬音して九番のミシン針/藤本鯖人
大方はミシン針なり祭りけり/神道/静
山茱萸や足踏みミシン今も尚/杉本祥子
まなうらにミシン踏む母針納め/高澤良一
ミシン踏み隣の夜なべまだつづく/上村占
ミシン踏むSの丘まで花を刺し/渡部陽子
ミシン踏む胸寛し灯に汗光らせ/中島斌男
晩夏ひかるミシン一台再婚す/榎本冬一郎
活断層蟻がミシン目入れている/高橋和彌
藤の花ミシンの上に置かれたる/横山白虹
いまの世のミシン小ぶりや針供養/梶田光枝
俳句例:21句目~
ミシン踏みいつか夜長の逃亡者/小檜山繁子
ミシン踏むひそかなる音牡丹の芽/中島斌雄
大正のミシンを踏みて年惜しむ/北見さとる
雷の夜の黒やわらかくミシンの首/大井雅人
颱風が押すわが列島ミシン踏む/小川双々子
黴の宿身にしたひ寄るミシンの音/飯田龍太
にはかなるミシン踏み出す夜寒かな/中村汀女
サンドレス縫ふご機嫌の古ミシン/松沢比磋子
ミシン踏みまた爽やかにミシン踏む/渋沢秀雄
汗見えてミシン踏む師の薄暑かな/小松崎爽青
焼けざりしミシンの恩や青葉木菟/榎本冬一郎
夏痩せの髪結ひつめてミシン踏む/柴田白葉女
吾子昼寝ミシンの脚をつかまへて/加倉井秋を
ミシン踏む小鳥来しこと気づかずに/山根紀美子
太陽縫いこむ村にひとつの魔法ミシン/伊丹公子
踏みとほし生きとほしミシン台の灯蛾/榎本冬一郎